4.気持ちを抑えてしまう
色みを持たない色であり「無彩色」と呼ばれる、白・黒・グレイのなかでも、黒はとくに「感情を抑え込むイメージ」と重なりやすい色です。
少し専門的な話になりますが、色は、物体が光のなかの特定の波長域を反射、透過、吸収することで見えるものです。
黒は、可視光(目が感じることのできる光の波長)のほぼすべての波長域を吸収することで見える色。「光をすべて内側にしまい込んだ状態」「外側に表現していない状態」というイメージとつながります。
また、黒は人の目に重たさをもっとも感じさせる色です。人は物を見るとき、その物自体のイメージを重ねて見ます。黒は、心に重石をずっしりと乗せているようなイメージとつながりやすいのです。
こうしたことが、「自分の感情を抑圧するイメージ」と重なります。
私たちが目にする色は、心に影響を与えます。私たちは、鏡を通して、1日に何度も自分を見ます。
頻繁に黒を着ていれば、それだけ多く、黒のイメージと自分を重ねて、潜在意識にインプットしやすくなるのです。反対に、自分の感情を抑えているからこそ、黒い色が気になることもあります。惹かれる色には、自分の気持ちが投影されているからです。
だからといって、長い間、黒い服を着たり、身近に黒ばかり置くと、自分の本当の感情をさらに表に出せなくなります。黒は、そんな悪循環も起こしやすい色なのです。
色を取り入れて新たな自分になろう!
色彩心理・自己分析のセッションに来てくださる大人の女性たちには、「いつも黒ばかり着ている」というかたが多くいらっしゃいます。
お話しをうかがうと、「知らずに自分の本音を抑えてしまっている」と答えるかたがほとんどです。
自分の素直な気持ちを表現するのが苦手で、まわりの人にイヤな思いをさせたくないと、本音で向き合うことを我慢してしまうのです。
「私も、自分の本音を抑えて生きている」
そう気づかれたあなた。気持ちに無理のないペースでよいのです。少しずつ、色みのある色を身近に取り入れていきましょう。
色は感情とつながっています。一つの色は一つの感情。洋服や小物に取り入れる色の種類を、少しずつ増やしてみましょう。
そうすることで、自分の心を解放し、表現できる感情の幅を広げていかれるのです。
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「色とココロのコンシェルジュ」、レゼル・ド・マクルール~私色の翼~代表。「色彩学校」上級認定色彩心理カウンセラー、認定色彩心理講師、認定色彩アートセラピスト、パーソナルカラーアドバイザー、A・F・T色彩検定1級取得。仏ブランド・シャネルの日本法人に、アシスタント、セールスアナリスト、ビジネス企画管理部門マネージャーとして25年間勤務。20年ほど前に書籍を通して「色彩心理」と出合う。「惹かれる色と心がつながっていること」「色が心に力をくれること」を知り、感銘を受ける。いつか、女性たちの可能性を引き出せる色彩心理の専門家になりたいと思い続け、50代で「色とココロのコンシェルジュ」として起業。現在は、「色彩を通して深層心理にアプローチ」するメソッドと、「色彩のイメージ効果」を使ったアドバイスで、「転機にさしかかり、これからの生き方を模索している」女性たちをサポート。「女性を内側からも外側からも輝かせる」ためのセッションやワークショップ、セミナー、企業研修を行い、好評を得ている。