3.コミュニケーション下手になる
黒ばかり着るあなたはコミュニケーションが苦手では?
色は、体験や記憶、イメージとつながっています。そして人は、色に象徴的な意味を感じています。色の持つイメージ・意味には、すべてポジティブなものと、ネガティブなものがあります。
黒のポジティブなイメージ・意味には、「自己確立・意志の強さ・集中・高級感・威厳・重厚」などがあります。「プロフェッショナルに見える色」でもあります。
ネガティブなイメージ・意味には、「孤独・人と距離を置きたい心理・重苦しい・抑圧・反抗・悲しみ・威圧感・恐怖」などがあります。
私たちが色に惹かれるのは、その色のイメージ・意味がそのときの気持ちに合っているから。
そのときの自分の心と体に必要な色を、無意識にも選んでいます。
また、自分の気持ちを物語ってくれる色に惹かれることもあれば、その色のイメージにあたるものが今の自分に足りず、求めているときに惹かれることもあります。
では、黒に惹かれるのは、どのような心理でしょうか。
「強い意志を持って自分を確立していくとき」など、ポジティブなイメージが、気持ちに合っているときがその一つ。「強い自分」を表現したいときです。
プロフェッショナルであることや、ストイックさも感じさせます。自分の感情を表に出さないことから、仕事向きの色ともいえるでしょう。
でも、もしも「無難だから」との理由で、黒い服を着ているとしたら。あなたの心は、黒を通して「強い自分」を表現したいと求めていますか。
もし、ふだんから黒をよく着るならば、今、こんなことを感じていないでしょうか。「人間関係に疲れちゃった」「少し休みたい」「そっとしておいて」「自分を守らなくては」人とのコミュニケーションを今は避けたい。自分の気持ちに踏み込まないで欲しい。そんな思いが、もしかしたら黒い服を選ばせているかもしれません。
また、「孤独感が強まり、さびしい」「自分の本当の気持ちを抑えている、我慢している」というときにも、黒い服を無意識にも選んでしまうのです。
黒を習慣化しないことが大事
思春期に、黒ばかり選んで着ることがあります。思春期特有の言葉にできないような葛藤や悩みに苛まれ、身近な大人への反発心が高まってくると、黒を好むようになります。それは「私にかまわないで」「そっとしておいて」「少し休ませて」、そして「孤独」「さびしい」という言葉にならない表現であることも多いのです。
また、心に深い悲しみを抱えているときにも、黒に惹かれることがあります。そんなときの黒は、心に寄り添ってくれる色です。黒に自分の心を重ねることで落ち着き、支えられ、心が守られることもあります。
こんなふうに、「黒で心をガードしたい」との心理から黒に惹かれているときには、黒で自分を守ってあげることも必要です。
しかし、着慣れているからという理由で、黒ばかりを毎日のように着ていると、人と距離を置きすぎてしまったり、孤独感が増したりします。考えが頑固になりすぎることもあるでしょう。自分の感情を抑えてしまうことにもつながっていきます。
しかも、色は習慣になります。慣れてしまうと、ついその色ばかりを選んでしまい、ほかの色を取り入れにくくなるのです。だから、黒をよく着る人のクローゼットには、黒の服がますます増えて、毎日のように黒を着ることになるのです。