エルメスの発展と女性の活躍は、ともに続いていく
やがてエルメスは事業を拡大し、ファッションや時計、ジュエリーなどにも積極的にアプローチしていく。これが海外進出のきっかけとなり、一躍トップメゾンとして世界中に名を馳せたのだった。
20世紀初頭には世界で初めてファスナーを使ったバッグ「ボリード」が登場し、その後はメゾンの代名詞ともいえる「ケリー」「バーキン」、そしてシルクスクリーンによるスカーフが誕生し、現代の私たちが知るように、エルメスの人気はさらに不動のものとなった。
現在のエルメスのロゴの元となった商標(写真)には、馬車と従者はいてもそこに乗る人は存在しない。これは、主役は製品の持ち主自身だということを示しており、顧客へのリスペクトを表している。
エルメスの愛すべき革製品には、先に挙げた有名なバッグのほかに、“その中身”を彩るさまざまなスモールレザーグッズがある。女性の仕草を美しく見せ、持ち主とともに育っていく上質な革の変化は、常に私たちを夢中にさせてきた。エルメスの発展と女性の活躍は、これから先もともに続いていくだろう。
※価格はすべて税抜きです。文中の[ ]内の数字はバッグや小物のサイズ[タテ×ヨコ×マチ]を表し、単位はcmです。記号はWG=ホワイトゴールド、DIA=ダイヤモンドの略です。
スタイリング=小倉真希 撮影=戸田嘉昭
数々の女性誌のファッションページを担当するほか、大人の女性のためのファッションセミナーを開催。アパレルブランドとのコラボレーションや美容サイトのディレクションなども手がける。