エレガントな存在に秘められた伝統と革新

当時のヨーロッパでトレンドであったアールヌーヴォースタイルからいち早く脱却したのもまたカルティエで、のちに主流となるアールデコ・スタイルの先駆けとなった。

(右/中)Vincent Wulveryck, Collection Cartier © Cartier(左)Maud Remy-Lonvis © Cartier
(右/中)Vincent Wulveryck, Collection Cartier © Cartier(左)Maud Remy-Lonvis © Cartier

ブランドの躍進はまだまだ止まらない。08年にはメゾンのイニシャル「C」を組み合わせたアイコンが登場、24年には、日本でも90年代に一世を風靡ふうびした「トリニティリング」が誕生している。

時計はというと、17年にスクエアフォルムが印象的な「タンク」や85年に防水機能が人気の「パシャ」を製作。そしてエグゼクティブをはじめ、世の女性たちが愛する時計「ベニュワール」は12年に前衛モデルが発表され、今の形に近いモデルとなったのは50年代のこと。「ベニュワール」はフランス語でバスタブを意味し、数ある時計の中でも優美さと女性らしさが際立つオーバル形のフェイスが光るデザイン。たおやかな曲線美はエレガンスウオッチの代表格とも言えよう。

ビジネスではもちろん、プライベートシーンにおいても、常に女性を輝かせてくれるカルティエ。エレガントな存在に秘められた伝統と革新が、これからも特別な日々を連れてきてくれるに違いない。

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