在宅ワークで、さらに“ちゃんと家事派”が増加
私自身もそうですが、コロナ禍では、単に朝、昼、晩と調理の頻度が増すだけでなく、「せっかくだから“ちゃんと”栄養を摂らないと」と、つい手間をかけたくなる。とくに今回、感染リスクを防ぐためにも「栄養バランス」が重要とされているので、その思いは強いですよね。
ただ、“ちゃんと”したくなるのは、調理に限りません。在宅勤務になり、自宅にいる時間が増えると、「あそこが汚れてる」と掃除のし残しが目についたり、「そろそろ洗濯しなきゃ」と気になったりします。つまり掃除や洗濯など、調理以外の家事も、なにかと“ちゃんと”したくなる。皆さんも、同じように感じるのではないでしょうか。
ホットクックが“ちゃんと”作ってくれる
そんなとき、ホットクックのような便利な家電を使えば、火加減の見張り番やかきまぜといった細々した手間から解放され、目を離しても食材をじっくりコトコト煮込めたり、掃除やアイロンがけなど別の家事に時間を回せたりする。
これが、先の戸井田さんが提唱した「時産」です。
またホットクックは、新型肺炎がまだ社会問題になる2年以上前から、具体的には17年9月から、自動調理鍋というモノ(家電)だけでなく「コト」を売る2つの施策に乗り出していました。
1つが、ヘルシオシリーズで簡単調理ができる食材キットの宅配サービス「ヘルシオデリ」の展開。もう1つが、ヘルシオシリーズを使った調理体験ができる、体験教室やスペシャルイベントの開催です。
有名店の味を自宅で楽しめる料理キット
まず、前者のヘルシオデリは、シャープが「ぐるなび」の加盟店やタイヘイなどと共に、有名店の味を自宅で楽しめる料理キットとして始めた宅配サービス。
包丁を入れたり、食材をわざわざ買いに行ったりする手間は要りません。袋から出して自宅のヘルシオシリーズ(ヘルシオ ホットクックや、ウォーターオーブン ヘルシオ)に入れ、ボタンを押せばOK。簡単においしく調理できる点が人気を呼び、アッという間に話題になりました。
当初は、著名なシェフのメニューを手軽に味わえる“プレミアムな料理キット”として登場しましたが、18年11月からは「共働き世帯」を強く意識し、日々の食事として手軽に楽しめる「デイリーコース」も含めてラインナップ。
さらに19年11月からは、賞味期限が長い「冷凍」のミールキットの発売も開始しました。一例は、「カレー煮込みハンバーグ」や、「国産鶏と彩り野菜のパスタ」、「牛肉と国産ごぼうの柳川風」などで、「冷凍でまとめ買いする方が増え、ホットクック本体と同様、今年20年1~3月は、前年同月比で2.5倍に、4月には3倍以上の販売数を記録しました」(飯沢さん)