※本稿は、尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
個人のブランディングがうまい人が成功する
スターバックスのブランドコンセプトは「サードプレイス(第三の場所)」。ブランディングは、カップにメッセージを書く、従業員の温かい声がけ、Wi-Fiの設置、居心地のいい内装などです。
最近は企業だけでなく、個人のブランディングも大事だといわれています。つまり、その人がどんな価値観を持っているか、何を大事にしているか、何をしているのかを伝える。このブランディングがうまい人ほど「代替が利かない」「唯一無二の存在」として認知されます。たとえば、社内で評価される人、インフルエンサー、複業している人、職人……。うまくいっているように見える人ほど、ブランディングができています。
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じわじわ浸透させるブランディングが大事
どうやってブランディングしていくか? 結論からいうと、自分業の場合は、じわじわ浸透させるブランディングが重要です。ところが、ブランディングの名のもとで「自分の理念や特徴や売り」を押し売りしてしまっているケースをよく見かけます。
「私、すごくニッチなんですけど、こんな問題解決ができます。こんなお悩みはありませんか? 私がお力になれるんですよ。価値ありますよ」と、顧客が気づく前に言ってしまう。
スタバで「サードプレイスへようこそ! スターバックスです」って、毎回声がけされたら「うっとうしい‼」ってなりますよね。「なんとなくいつもスタバに来ちゃう。居心地いいんだよね。え⁉ サードプレイスっていうコンセプトなの! どうりで。ふむふむ」が理想です。
「サードプレイス」というブランディングは、お客さんが「あ! なんか居心地いいと思っていたら、サードプレイスがコンセプトなんだね」で成立するのであって、売る側が「サードプレイスだから買って」はちょっと違うのです。多くの個人はこれをやってしまう、またはやってしまいがち。でも、それではなかなか売れないのです。
財布を開いた後に「ああ、なんか居心地いいと思ったら、理念とサービスが合致しているからなんだ」という気づきがあると、本当にファンになってもらえるんですよね。いかに「この商品、サービスには価値があるか」を伝えても、顧客がそれを認めてくれなければブランディングは成立しません。