マーケティングセンスはレジの行列でも磨ける
私はこんなふうにスーパーのレジの順番を待つあいだ、前に並んでいる人のカゴの中身をさりげなく観察するのが習性になっています。あまり褒められたことではないかもしれませんが、どうせ手持無沙汰だし、イライラしながら待つよりは、何がどういうバランスでカゴに入っているかを分析することは、マーケティングセンスを磨く格好のトレーニングになります。見ていると、人間はけっこうアンバランスな買い物をするものだということがわかってくる。
「こんなに高いお肉を買っているのに、カレールーはいちばん安い○○か。加工品に関してはまったく無頓着な、素材重視の人なんだな」
というように、だんだんその人の消費傾向が読めるようになってくる。
こんなふうにマーケティングセンスはいつでもどこでも磨くことができます。そうやって培ったセンスを、ぜひご自身のビジネスに生かしていってほしいと思います。
構成=長山清子
大日本印刷、外資系広告会社J.ウォルター・トンプソン・ジャパン戦略プランニング局 執行役員を経て、2010年にインサイト社設立。初著『インサイト』(ダイヤモンド社)で、日本に初めてインサイトを体系的に紹介。他に『インサイト実践トレーニング』『戦略インサイト』(ともにダイヤモンド社)など。商品開発・ブランド育成などのコンサルティングを行っており、消費財・サービス・テック系企業などで実績多数。インサイト オフィシャルページ