創業から2019年で88年。バブル期に「ヤング、ファッション、赤いカード」の3つのキーワードで最高益を上げた丸井グループ。その後2度の赤字転落からV字回復を遂げた理由はどこにあったのでしょう? 変化を恐れず、常にチャレンジを続けた5人の社員の声の中にヒントがありました。
2019年完成した社内ラウンジの「tamaru」。フリーデスクで仕事をする人、打ち合わせをするグループなど。活発な雰囲気にあふれるスペースだ。
2019年完成した社内ラウンジの「tamaru」。フリーデスクで仕事をする人、打ち合わせをするグループなど。活発な雰囲気にあふれるスペースだ。

大胆な“職種変更”がV字回復の原動力に

1931年の創業以来、小売りと金融が一体となったビジネスを展開してきた丸井グループ(2007年まで丸井)。バブル期には、DCブランドブームをけん引し、1991年には最高益を記録した。消費意欲が高い若者たちが、丸井のクレジットカードでファッションアイテムや家電などの高額商品を次々と手に入れた背景がある。

しかし、バブル崩壊とともに景気が後退して消費が冷え込むと、高額商品の買い控えが起こる。さらに、貸金業法改正で上限金利が引き下げられると、安定的な収益を上げていたカード事業が大打撃を受けた。2008年にリーマンショックが起こり、2度の赤字転落……。ピンチに陥った丸井グループでは、05年に社長に就任した青井浩氏のもと、さまざまな改革が行われた。