自分の頭痛を記録することで、受診もスムーズに

片頭痛は主観的な症状であるのも、医療機関への受診をためらう一因といえるだろう。痛みがあるときは都合が悪く、いざ病院に行くときには症状が出ていないという場合もある。

そこでまずは自己診断をしてみるのもひとつの手。過去3カ月以内の頭痛について、次の項目をチェックしてみよう。

1.歩行や階段の昇降など日常的な動作によって頭痛がひどくなることや、あるいは動くよりじっとしているほうが楽だったことはどれくらいありましたか?
□ なかった □ まれ □ ときどき □ 半分以上

2.頭痛に伴って吐き気がした、胃がムカムカすることがどのくらいありましたか?
□ なかった □ まれ □ ときどき □ 半分以上
3.頭痛に伴って普段気にならない程度の光が眩しく感じることがどのくらいありましたか?
□ なかった □ まれ □ ときどき □ 半分以上
4.頭痛に伴って臭いが嫌だと感じることがどのくらいありましたか?
□ なかった □ まれ □ ときどき □ 半分以上

以上の質問で、2項目以上で「ときどき」あるいは「半分以上」と回答した場合、90%以上の確率で片頭痛であるという。

*出典:渡邊由佳、五十嵐久佳「特集 女性の痛み 3片頭痛」WHITE Vol4 No.2 2016 9

最近では日本頭痛学会のホームページから、発症した日や痛みの程度、日常生活への影響度などを書き込める「頭痛ダイアリー」を無料でダウンロードできる(ダウンロード先)。これに自分の頭痛の症状などを書き込んでおけば、医療機関を受診したときに診断材料になる。

片頭痛は、適切な薬物治療によって発症の頻度や症状を軽減することは可能だという。

また、毎日適度な運動を取り入れたり、空腹をガマンしない、飲酒を控えたりするなどで、片頭痛が改善したという報告もある。これは生体のリズムが安定したことによりセロトニンの分泌が活性化したことが要因ではないかと考えられている。

とはいえ、ストレスやホルモンバランス、天候や食事など、片頭痛の誘引因子は、いまだにすべてが判明しているわけではない。だからこそ自分自身で片頭痛の実態をきちんと把握し、周囲への理解を求めることが重要な一歩となるのだ。

写真=iStock.com

林田 順子(はやしだ・じゅんこ)
フリーランス編集者・ライター