ここ数年、「睡眠負債」という言葉が話題になるなど、睡眠不足や不眠に注目する人が増えている。不眠に対する正しい知識やその改善法を知り、快適な睡眠を手に入れよう。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/RyanKing999)

睡眠不足と感じる人が増加。でも、その実態は……?

「毎日、忙しくて睡眠時間が短い」など、働く女性の中には睡眠不足を感じている人も多い。平成29年の厚生労働省の調査では、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分にとれていない」と回答した人は、平成21年に比べ、ほとんどの世代で増加。特に40代に睡眠不足を感じている人が多い。

うまく眠れない日々が続くと、「もしかして不眠症では……?」と疑う人もいるが、そもそも「不眠」とは、どのような状態を指すのだろうか。東京家政大学 睡眠行動科学研究室 岡島 義 准教授にお話を伺った。

「『不眠』とは、ストレスなどで十分に眠れない状態を指し、『不眠症』とは、不眠が原因で、日中に倦怠感、意欲・集中力の低下、頭痛、めまいなどの支障が出ることをいいます。つまり、日中、元気に活動ができて、仕事などに支障がなければ不眠症ではなく、睡眠時間の長さにこだわる必要はないのです」

日中の活動に支障が出ないために必要な睡眠時間は、人それぞれ。9時間必要な人もいれば、5時間程度で十分な人もいる。また、睡眠時間がしっかりとれ、日中の活動に支障がないにもかかわらず、睡眠の途中で目が覚めるなどして『全然、眠れていない』と不満感を抱く人も多い。