あなたの不眠の原因は? チェックしてみよう!

では、日中の活動に支障が出る不眠の原因には、どのようなものがあるのだろうか。

次のチェックリストで、各項目1~4のどれに当てはまるかチェックしよう。

1:そうではない 2:そうかもしれない 3:どちらかというとそうだ 4:そうだ

□日頃、運動をほとんどしない
□朝食はとらない
□寝る前にお酒を飲んだり、タバコを吸ったりしている
□就寝3~4時間以内に、カフェインを摂っている
□日中は、よく昼寝をする
□寝る前に熱いお風呂につかっている
□寝室の温度や湿度が快適でない
□寝室の電気は「昼白色」「昼光色」(いずれも白っぽい光)だ
□夜更かしなどで不規則な生活を送っている
□眠くなくても決まった時間に布団に入る

監修/東京家政大学 睡眠行動学研究室 准教授 岡島 義先生、厚生労働省『健康づくりのための睡眠指針2014』をもとに編集部作成

岡島先生は「4に○のついた行動が不眠症の原因の可能性があります。しかし、本当に睡眠に影響しているかどうかは、日中の支障と照らし合わせてみないとわかりません。このように行動と睡眠の因果関係を明らかにし、不眠を改善していくのが『認知行動療法』です」と話す。

「認知行動療法」で、不眠ループから抜け出す!

「認知行動療法」は不眠症やうつ病など、さまざまな身体的・精神的疾患に使われる心理療法。困っている症状を、その人のせいにするのではなく、その人の「クセ=振る舞い、考え方、身体反応など」に注目し、そのクセを修正することを目的とする。不眠を改善する場合、治療薬より効果に維持力があるといわれている。

認知行動療法で不眠を改善するには、まず「毎日の睡眠」と「日中の支障」を記録する「睡眠日誌」をつけることが重要だ。睡眠日誌はノートにつけても、スマートフォンのアプリを利用してもOK。「何時に布団に入り、だいだい何分くらいで寝ついて、何時に起きたか。そして、不眠の原因と思われる行動の有無と、日中、どんな支障があったか」を記録する。すると、自分が何時間眠れば日中の活動に支障をきたさないかがわかるうえ、不眠の原因と思われる行動と睡眠の関係が見えてくる。例えば、テレビを見ながら寝てしまう習慣が不眠の原因だと思っていたが、テレビを見ても見なくても、日中の活動に支障が出るようなら、ほかにも不眠の原因が隠れているといえる。

また、不眠の原因となる行動を変えようと思っても、なかなか思いどおりにはいかないもの。例えば、「明日から運動をしよう」と決めても、続けることは難しく、多くの人は「意志が弱いから続かない」と思いがちだ。しかし、認知行動療法では、どうしたら続けることができるか、その方法を具体的に考えることからスタートする。

「自分の生活や活動パターンを具体的にイメージしながら、いつ、どのように運動を取り入れるかを考えます。できなかったことを自分自身の性格のせいにしてしまうと、事態は何も進展しません。できなくても気にせず、できることから始める。そして、一つの行動を修正し、睡眠に変化がなければほかを試せばいい。特に不眠の改善は、数日で結果が出るものではありません。気長に取り組むことが、不眠ループから抜け出すコツです」