仕事のパフォーマンスアップは健康から。病気ではなくても気になるあの症状、この症状を、専門医が解説します。
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人は血管とともに老いる。健康で働くには、血圧管理が重要です

高血圧は、日本人にもっとも多い病気で、予備軍を含めると成人の2人に1人が「患者もしくは予備軍」となり、国民病ともいわれている。2019年4月、厚生労働省は、これまで「正常高値血圧」としていた分類から「正常」をはずし、予備軍に注意喚起を促している。そこで、血圧が上がる原因や体に及ぼす影響を、専門医の池谷敏郎先生に伺った。

「血圧とは心臓が収縮して血液を全身へ送り出す力のこと。力が強すぎると血管壁に常に高い圧力がかかり、弾力性が失われていきます。これが動脈硬化。高血圧は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに動脈硬化が進行。放置すると心筋梗塞や脳卒中、大動脈疾患や腎臓病を引き起こすため『サイレントキラー』と呼ばれます」

心血管疾患の危険を減らすためにも、血圧測定を習慣化することが大事だと池谷先生は言う。企業勤めであれば毎年健康診断で血圧を測る機会はあるが、個人事業者やフリーランス、主婦層では、積極的に健診を受ける人は少なく、血圧を測る機会がないという。