3.まずはトライアルからスタートしよう

はじめての仕組みづくりは、試行錯誤がつきものです。上司がリモートワークに可能性を感じていたとしても、「実際に運用できるかどうか」と二の足を踏んでしまうケースも少なくないでしょう。

まずは一度、トライアルから始めて、検証していくのがいいのではないか、と思います。その際、「リモートの際は、こういうふうにチェックしてください」と、マネジメントのプランまで明示できたら強いでしょう。そして、ネクストアクションも同時に伝えます。「もしリモートが可能なら、こういうふうに仕事をしたいと思います」と、ビジョンを伝えるのです。

もし、トライアルすら許してくれない上司だとすれば……、その会社、一回考えましょう。どれだけリモートワークで貢献できるかを伝えても、なかなか会社の温度感として難しい、まだまだ長い時間がかかる、という企業もあるでしょう。その場合は、自分のキャリアに必要なほうを選択するべきです。頭のかたい上司の説得に時間を使うより、会社を出てキャリアを発展させる選択をしたほうがいい場合もあります。

構成=浦上藍子 写真=iStock.com

久保田 雅俊(くぼた・まさとし)
サーキュレーション代表取締役

1982年生まれ、静岡県出身。新しい働き方を追い求め、学生起業、家業の清算、会社員としての管理職、パラレルワーク、社内起業を経験する。学生時代に複数の事業を立案し学生起業家となり、パラレルワークを実現。21歳のときに、地元の進学塾を経営していた父親が意識不明となり、10年間に渡って、父親の介護を余儀なくされる。父親が経営していた企業は継続不可能となり、自身の手で会社の清算をすることとなる。その経験から企業経営には「金」以上に「人の経験・知見」が必要であるという考えにたどり着いた。2014年株式会社サーキュレーションを設立。プロフェッショナル人材の経験とスキルを複数社で活かすプラットフォーム(プロシェアリング)を運営している。2020年現在、経営プロフェッショナルのネットワークは1万3000人、導入企業は1500社を超える。