「家でサボる気じゃないの?」「出社しなかったら、定例ミーティングはどうするの?」。働き方改革が叫ばれるなかでも、リモートワークへの根強い不信感を持つ“昭和的上司”は少なくないようです。経験とスキルを複数社で活かすプロ人材のプラットフォームを提供するサーキュレーション代表取締役の久保田雅俊さんに、プロ人材に学ぶリモートワーク推進のポイントを伺いました。
インタビューア信じられないことで回答
※写真はイメージです(写真=iStock.com/imtmphoto)

1.「なぜリモートワークをしたいか」を言語化できるか?

「どうすれば上司を説得できるか」の前に立ち止まって考えたいのが、「リモートワークをすることのメリットをきちんと説明できるか」という点です。

「私はリモートで働きたいんです! なんで許してくれないんですか?」。

これではおそらく上司は説得できないし、できなくて当然です。

リモートワークの有用性は、すでにいくつも実証され、定義されはじめています。メディアをみれば、さまざまな事例、メリットがわんさか出てくるでしょう。ただし、それは世の中で言われていることであって、個別の会社に当てはまるとは限りません。

「うちでリモートができるかどうか」を決めるのは、リモートワークの有用性と会社の有用性との掛け合わせなのです。けれど、この2つが自社でうまく噛み合うかどうかは、上司はもちろん、人事や経営陣にだってまだ確証がないはずです。

デメリットもセットで提示する

そうしたなかでリモートを実践したいと思うなら、きっとそこにはリモートによって両立したい何かがあり、理由があるはずです。その中身を、まずきちんと言語化することが大事です。それも、Will(こうしたい)ではなく、Give(こういう貢献ができる)の視点で考え、伝えることがキモ。

たとえばミーティングへの出席。オンライン参加になっても問題がない理由や、どのようなアウトプットを出せるかを、自分の視点からだけでなく、チームや上司の視点から説明できるかどうか。

100%メリットばかり、とはいかないでしょう。その場合も、その難しさを理解したうえで、リモートをする際の課題点まで提示できたら、上司もいっしょにどうやってその課題を埋めていけばいいかを考えてくれるはずです。週1日から導入するなら、どの曜日だったら可能か。どんなミッションだったら成果がでるか。こうしたことがともに設計できれば、上司と対立することなく、リモートワークへのドアが開けるのではないでしょうか。