対応が遅い企業に顕著な“製造業型マネジメント”

日本において支配的になっている製造業型の管理モデルも問題だ。

「皆出社しているのだから、自分も出社しなければ」

このような横並びを助長するからだ。

長らく、日本は大手製造業や自動車産業を頂点とする統制型の仕事のやり方やマネジメントが正とされてきた。

このようなマネジメントにおいて、逸脱することは悪とされる。そして、マネジメントはおのずと「逸脱させないための管理をする」統制型、性悪説型となる。

いままではそれでよかった。トップや企画部門が答えをもっていた。彼ら/彼女たちが決めたものを作って売れば儲かるビジネスモデルであった。そのビジネスモデルにおいて、統制型および性悪説型のマネジメントは合理的と言える。企画部門であろうが、営業部門であろうが、IT部門であろうが、一律製造現場に最適化された「統制型」の制度や環境のもと、横並びで仕事をさせられる。不公平は許されない。

しかし、これからの時代においてはどうだろう? 製造業型のマネジメントは、すでに以下のような弊害をもたらしている。

・上意下達型。指示も情報もトップダウンでおりてくる
⇒「指示待ち」人材を増やす
・業務プロセスやルールが細かに決められている
⇒イノベーティブなアイディアや行動がうまれにくい
・決められた指示系統の中での報連相が求められる
⇒雑談や自由な意見交換がおこなわれにくい
・全員が8時30分~17時30分(例)の固定勤務
⇒自身のパフォーマンスが高い時間に働くことを制限する
・昼休みも固定。しかもわずか45分のみ
⇒十分にリフレッシュできない。人間関係を固定化させる。外部の人たちや情報に触れにくい