話が通じないタイプには「やり過ごし」を
第一は、話が通じる上司の場合。「お土産を決まって女性が配るのはどうなんでしょうね」と率直に言ってみましょう。相手はあなたがそう感じていることを知らないだけなので、素直に伝えれば納得してくれる可能性が高いです。
第二は、話が通じない上司の場合。これには、お土産を配らずにただ置いておく「やり過ごし」という手があります。産業社会学の知見によれば、部下が上司に拒否の意を伝えるため、頼まれても実行せずにやり過ごすことが少なくないといいます。
あいまいな指示やただの思いつき、優先順位が低いものなどは、何回か言われてからようやく実行する。緩やかなボイコットとも言える手ですが、話が通じないのなら態度で示すしかありません。頼まれたコピーをとらずに放置しておくのも、同じくやり過ごしの一つです。
上司が放置してあるお土産に気づき、「なぜ配らないのか」と言ってきたら話し合いのチャンスです。話が通じないタイプは、相手がいきなり意見を言ってきても聞く耳を持ちませんが、自分から質問した場合は答えを求めます。この機にぜひ意見を伝えてみてください。
複数人で対応するのが得策
ただ、やり過ごしは何人かで実行することが大事です。1人でやっても、単なる反乱分子として片付けられてしまう可能性が高いので、まずは同じ意見を持つ人たちと相談してみてください。
ほかには、当の上司を避けて周囲の“話が通じる上司”に言ってみるのもおすすめです。頭が固い人に意見するのはなかなか大変ですから、まずは周りから攻めるのも賢い方法かなと思います。
1998年に出版された『OLたちの〈レジスタンス〉』という本が、当時、話題になりました。ここでいうOLとは一般職の女性のことです。この本では、仕事の優先順位を勝手につけるなどして、上司より優位に立ったOLたちの戦略を伝えていました。
男性上司から下に見られがちな女性たちの賢さや強さがわかる本ですが、彼女たちが上司に簡単に反旗をひるがえせたのは、いずれ辞める身だと思っていたからかもしれません。
結婚・出産後も働き続ける女性の場合は、退職前提で反旗をひるがえすわけにはいきませんから、昭和上司に物申す時は少し慎重になる必要があります。特に話が通じないタイプには、必ず複数人で対応するようにしましょう。