ニュースがわかる! 政治の教科書

政治

君たちの日本国憲法(池上彰、ホーム社)

池上さんが、高校生に授業を行ったときの内容をもとに、講義形式で書かれた本です。「憲法とはいったいどういうものか?」「日本国憲法がどういう憲法なのか?」「憲法が僕たちの生活とどうかかわっているのか?」を解説しています。今、日本では憲法改正をめぐる議論が本格化しようとしていますが、安倍総理がどのような意図で憲法を考えているのか、自民党が憲法をどのように変えようとしているのかなどもつかめるので、憲法がらみのニュースを見るときのテキストとして最適です。

科学

ヘウレーカ(岩明均、白泉社)

科学者であるアルキメデスを主人公としたマンガ作品です。アルキメデスというと、「ちょっと難しそう」「よくわからない」と思いがちですが、マンガ作品なのでスムーズに物語の世界に入り込めます。この中に、アルキメデスが国防を任されたというエピソードが描かれています。一見すると不思議な感じがしますが、じつは科学やテクノロジーは政治や国防とも密接にかかわっています。それを踏まえて読むと、面白さが倍増します。

 

ビジュアル AI(人工知能)(城塚音也、日経文庫)

ビジュアルとともに淡々とわかりやすく解説してくれています。とりあえずこの1冊があればAIの基礎知識が身につきます。

アート

僕はウォーホル(芸術家たちの素顔シリーズ)
(キャサリン・イングラム、パイインターナショナル)

オシャレなビジュアルブックで、絵がとてもきれいな本。ポップ・アートの巨匠アンディ・ウォーホルがどのようにしてキャンベルのスープ缶にたどり着いたのかなどが、わかりやすく解説されています。アートを扱った本は高尚なものになりがちですが、この本はオシャレ度とわかりやすさが両立している点が優れています。同じシリーズに『僕はダリ』という本もあります。

ちなみに、アートは政治や経済が最も進んでいる国で成長します。ピカソが活躍していたころはスペインという国に力がありましたし、その後は、フランスのパリに世界中の芸術家たちが集まり、第二次大戦後はアメリカでポップアートが隆盛を極めるといった具合です。そんな視点でアートを見るのも興味深いですね。

数学

東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!
(西成活裕、かんき出版)

中学数学の振り返りに使える良書です。中学数学のラスボスは二次方程式で、高校数学のラスボスは微積分。このラスボス2つを倒すためにどのように学んでいけばよいのか、シンプルにわかりやすく教えてくれます。

この本を読んでいて面白かったのが、「数学の授業が長すぎるのは、練習問題を解かせすぎているから」という話です。それよりも、数学の原理原則の面白さや、先人たちがたどり着いた考え方を理解した上で、未解決の数学の課題に取り組むという視点から見ることの面白さを教えてくれたという意味でも、目からウロコの本でした。

中田 敦彦(なかた・あつひこ)
オリエンタルラジオ

1982年生まれ。2003年、慶應義塾大学在学中に藤森慎吾とオリエンタルラジオを結成。04年にリズムネタ「武勇伝」でM‐1グランプリ準決勝に進出して話題をさらい、ブレイク。またお笑い界屈指の知性派としてバラエティ番組のみならず、情報番組のコメンテーターとしても活躍。14年には音楽ユニットRADIOFISHを結成し、16年には楽曲「PERFECTHUMAN」が爆発的ヒット、NHK紅白歌合戦にも出場した。18年にはオンラインサロン「PROGRESS」を開設。さらに19年からはYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」の配信をスタートし、わずか1年あまりでチャンネル登録者数が250万人を突破した。