※本稿は中田敦彦『勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
絶対外せない世界史の入門書
世界史
●『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』(山﨑圭一、SBクリエイティブ)
年号を使わずに歴史の流れを解説するというコンセプトが素晴らしい、とっておきの入門書です。大人が世界史を学び直すとき、ムンディ先生のこの本は外せないと思います。
●『そうだったのか!現代史』(池上彰、集英社文庫)
現代史を理解するにはうってつけの1冊です。これを読んでおくと、ニュースを見るときの理解度が全然違ってきます。
●『ヒストリエ』(岩明均、講談社)
マケドニアの王子アレクサンドロスを描いた歴史大作。歴史への興味が高まること必至です。
年号を使わずに歴史の流れをつかむ
日本史
●『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』(山﨑圭一、SBクリエイティブ)
ムンディ先生の日本史版。世界史本と同様に年号を使わず、天皇や将軍、総理大臣を主役にして、日本史の流れを解説するという画期的なコンセプト。人が主役になっているので、歴史が苦手な人でも小説のように楽しく読めます。
●『早わかり日本史』(河合敦、日本実業出版社)
日本史の動画をつくるときに参考にした本です。項目が読み切り式になっていて、ピンポイントで知りたい情報がつかめます。図解もわかりやすいのがいいですね。
宗教
●『ペンブックス20イスラムとは何か。』(ペン編集部、CCCメディアハウス)
●『ペンブックス15キリスト教とは何か。I』(ペン編集部、CCCメディアハウス)
●『ペンブックス16キリスト教とは何か。II』(ペン編集部、CCCメディアハウス)
雑誌『pen』の特集を書籍化しているシリーズから選びました。基本的な知識を学ぶには最適です。ペンブックスが素晴らしいのは、ビジュアルが多く、デザインがとてもオシャレなところです。単純に読んでいて心地いいのです。
文学
●『必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』(ドリヤス工場、リイド社)
●『定番すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』(ドリヤス工場、リイド社)
『坊っちゃん』『金色夜叉』『斜陽』『蟹工船』といった有名な文学作品のあらすじを、タイトルのとおり短いマンガでまとめています。あまりに端折りすぎていて、正直なところわけがわからないときもあるのですが、入門の入門という位置づけでは意義がある本だと思います。
●『まんがで読破』シリーズ(イースト・プレス)
『こころ』『罪と罰』『平家物語』などの文学作品をマンガ化したシリーズ。個人的には絵が好みではないのですが(ごめんなさい)、あらすじをつかむには最適。
ニュースがわかる! 政治の教科書
政治
●『君たちの日本国憲法』(池上彰、ホーム社)
池上さんが、高校生に授業を行ったときの内容をもとに、講義形式で書かれた本です。「憲法とはいったいどういうものか?」「日本国憲法がどういう憲法なのか?」「憲法が僕たちの生活とどうかかわっているのか?」を解説しています。今、日本では憲法改正をめぐる議論が本格化しようとしていますが、安倍総理がどのような意図で憲法を考えているのか、自民党が憲法をどのように変えようとしているのかなどもつかめるので、憲法がらみのニュースを見るときのテキストとして最適です。
科学
●『ヘウレーカ』(岩明均、白泉社)
科学者であるアルキメデスを主人公としたマンガ作品です。アルキメデスというと、「ちょっと難しそう」「よくわからない」と思いがちですが、マンガ作品なのでスムーズに物語の世界に入り込めます。この中に、アルキメデスが国防を任されたというエピソードが描かれています。一見すると不思議な感じがしますが、じつは科学やテクノロジーは政治や国防とも密接にかかわっています。それを踏まえて読むと、面白さが倍増します。
●『ビジュアル AI(人工知能)』(城塚音也、日経文庫)
ビジュアルとともに淡々とわかりやすく解説してくれています。とりあえずこの1冊があればAIの基礎知識が身につきます。
アート
●『僕はウォーホル(芸術家たちの素顔シリーズ)』
(キャサリン・イングラム、パイインターナショナル)
オシャレなビジュアルブックで、絵がとてもきれいな本。ポップ・アートの巨匠アンディ・ウォーホルがどのようにしてキャンベルのスープ缶にたどり着いたのかなどが、わかりやすく解説されています。アートを扱った本は高尚なものになりがちですが、この本はオシャレ度とわかりやすさが両立している点が優れています。同じシリーズに『僕はダリ』という本もあります。
ちなみに、アートは政治や経済が最も進んでいる国で成長します。ピカソが活躍していたころはスペインという国に力がありましたし、その後は、フランスのパリに世界中の芸術家たちが集まり、第二次大戦後はアメリカでポップアートが隆盛を極めるといった具合です。そんな視点でアートを見るのも興味深いですね。
数学
●『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』
(西成活裕、かんき出版)
中学数学の振り返りに使える良書です。中学数学のラスボスは二次方程式で、高校数学のラスボスは微積分。このラスボス2つを倒すためにどのように学んでいけばよいのか、シンプルにわかりやすく教えてくれます。
この本を読んでいて面白かったのが、「数学の授業が長すぎるのは、練習問題を解かせすぎているから」という話です。それよりも、数学の原理原則の面白さや、先人たちがたどり着いた考え方を理解した上で、未解決の数学の課題に取り組むという視点から見ることの面白さを教えてくれたという意味でも、目からウロコの本でした。