社長が目にした日本の母の姿

こうしたきめ細かな「日本人目線」のマーケティングや、スタイリッシュなデザイン、そしてリーズブルな印象を抱かせる「価格設定(主力商品の「エヴォフレックスS30」のシャークEC価格が、通常約5万円)」が魅力となり、2018年8月発売のエヴォフレックスはたちまち口コミで評判を得ました。

また、約1カ月後に発売されたハンディクリーナー(エヴォパワー)も、開発段階で「日本人目線」の消費者テストを繰り返し、アッという間に人気に火がついたのは先の通り。ゴードン社長はそのマーケティング段階で、あるお母さんが赤ちゃんを抱っこしたまま、部屋の隅を掃除しているシーンを見たと言います。

「重い子どもを抱っこしながら、しゃがんで手を伸ばすのは大変。コンパクトなハンディクリーナーでも、ノズルが長ければもっと便利になると考え、今年6月から、着脱式の延長フローリング用ノズルをセットにしたタイプ(「エヴォパワープラス」)を販売しました」(ゴードン社長)

売り場づくりにもこだわり

そしてもう一つ、商品そのものと並んで重視したのが、「売場」です。

シャークニンジャでは「売場が第一」の考えの元、家電量販店の売場に立つスタッフのトレーニングやコミュニケーションを重視しているとのこと。それは先の通り、日本の消費者が、店頭の商品を自分の目で見て“納得いくまで”商品説明を受けたいと感じる傾向にあるからだと言います。

広報活動についても同じ。仮にテレビCMを流したところで、わずか15秒では商品の素晴らしさを伝えにくい。そこで「マスコミ媒体に対しても、“納得いくまで”商品の魅力を伝えることに努めたい」とゴードン社長は話します。