アメリカ人は1~2週間に1回しか掃除機をかけない

彼いわく、日本人の多くは、まずだいたいの予算を決めて事前に情報収集、すなわちメーカー情報やオンラインの口コミ・レビューなどを徹底的に集め、それを基に、実際に比較検討するために売場にやって来る。

日本の消費者心理を研究し尽くしているゴードン・トム社長

「その際、店頭で『いい』と納得すれば、たとえ第1候補以外の第2、第3候補であっても、しかも多少予算オーバーであっても、買ってくれる可能性があるのが、日本の消費者です」

買い方だけではありません。当然ながら「商品そのもの」も、アメリカと日本では売れる観点が違う。掃除機の場合、大きく違うポイントの1つが「収納」とのこと。

「平均的なアメリカ人は、1~2週間に1回程度しか、掃除機をかけません。でも日本人は綺麗好きで、週5~6回掃除機をかける人も多い。一般には、住宅もアメリカより狭いので、使い勝手もさることながら、『収納(しまいやすさ・省スペース)』や『出し入れ』のしやすさがポイントになるのです」

さらに、しまう際の「壁の穴」や、使用前後の「掃除機の掃除」にも注目した、とゴードン社長。

日本では手入れのしやすさもポイントに

まずは、「壁の穴」。ダイソンも含めた欧米メーカーのコードレス掃除機は、壁に穴を空けて収納スタンドや充電スタンドを取り付けるタイプが圧倒的。でも日本では賃貸住宅に住む人も多いため、穴を空けること自体が大きな購買障壁となります。

そこで、スティッククリーナーの「EVOFLEX(以下、エヴォフレックス)」の本体は、収納場所を取らず、壁にスタンドを取り付ける必要もない「折り畳み」タイプとし、充電池も着脱式にして穴を空けずに済むよう、工夫したそうです。

また、掃除機の「ダストカップ(透明のゴミが溜まる部分)」の掃除は、「アメリカではめったにしない」とゴードン社長。ところが日本人は綺麗好きで、本体の手入れのしやすさも購入ポイントになる。そこで、日本製品では部品が簡単にはずれるボタンを付け、簡単にダストカップの拭き掃除ができるようにしたと言います。

日本人の4つの不満を解消

他にも、日本の消費者の掃除習慣を徹底的にリサーチする中で、日本人が従来のコードレススティッククリーナーに抱いていた4つの不安・不満が浮かび上がったと言います。皆さんも、思い当たるのではないでしょうか。

・ゴミを取り除く能力への不満
・家具の下の掃除のしづらさへの不満
・収納への不満
・稼働時間や充電への不安
ソファの下もラクに掃除ができるよう改良されたエヴォフレックス。

シャークニンジャは、これら4つの不安・不満を解決すべく、日本の家庭50世帯で、6週間にわたる試作機の試用テストを3回も繰り返したとのこと。

その過程で解消した不満、たとえば「収納」問題については、先ほどふれた通り。

その他、たとえば「家具の下の掃除のしづらさ」への対応では、ボタン一つでパイプが曲がる、独自の設計(MultiFLEX™機能)を採用。ソファやベッドの下など、従来の掃除機ではヘッドが届きにくかった場所も、立ったままの姿勢でラクに掃除できるよう、改良しました。