脳科学も認める「一喜一憂」の弊害

一喜一憂せずに自分の状態を客観視することの効能は、脳科学的にも立証されています。

たとえば、承認欲求はとても強いもので、人から認められたとき、褒めてもらえたとき、課せられた課題をクリアできたとき、人は快楽を感じます。

なぜかと言うと、脳内でドーパミンやオキシトシンといった人を幸せな気分にするホルモンが分泌されるからです。

逆に人から怒られたとき、理不尽なことが起きたとき、課せられた仕事を達成することができなかったとき、脳内では不安を高めるホルモンのノルアドレナリンやストレスホルモンであるコルチゾールが増えていきます。どちらの状態も一方に傾いたまま長期間放置すると、弊害があります。

ポジティブな側に傾きすぎると人は自己愛が強くなり、少しでも批判的なことを言われただけで、怒り、傷つき、反抗します。逆にネガティブな側に傾きすぎると、自己否定の強い状態になってしまいます。

どんな状況にもブレない「自分軸」をもつ

そこで、テンションが高くなっているとき、気分が高揚しているときは、「自分は今、ポジティブになっている」「脳内でドーパミンやオキシトシンが分泌されている」と考えましょう。

逆にテンションが下がっているとき、気分が落ち込んでいるときは、「自分は今、ネガティブになっている」「脳内にストレスホルモンであるコルチゾールや不安を高めるノルアドレナリンが増えている」と受け止めていきましょう。

今のあなたの感情状態から、どのような脳内ホルモンが自分の脳のなかにたくさん分泌しているかを理解するのです。それだけで、感情を感情で処理してエスカレートせずに、自分で冷静に対応できるようになります。

感情はどうしても一喜一憂するものですから、自分でフラットな状態に持っていくよう意識することが必要です。感情はコントロールできる、感情はこのような生きる技術の習得で違う感情に自分で変えることができるのです。

■自己肯定感が上下動するものだと知ること
■今、自分の自己肯定感がどういう状態になっているかに気づくこと

この2つの視点を持つことで、しっかりと根を張ったみずみずしい自己肯定感の木をすくすくと育んでいくことができるようになります。しなやかでブレのない、イキイキとしたあなたらしい自分軸を手に入れることができるのです。