不安と恐怖から抜け出せたきっかけ

そんなある日、読んだ本に「柑橘系のアロマオイルは不安を和らげるのにいい」と書かれていました。私はすぐにオレンジ、レモン、グレープフルーツのアロマオイルを購入し、試してみることにしたのです。

中島 輝『自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)

「過呼吸になるかも……」と不安を感じたとき、アロマオイルのボトルを開けるとオレンジの香りが溢れてきて、「不安」と「恐怖」に向いていた意識が「オレンジの香り」へと切り替わりました。

そうやって香りを嗅ぐことに集中していると、少しずつ気持ちが落ち着いていったのです。

「これは効果があるかもしれない」と感じた私は、その後も過呼吸への不安が高まったときにオレンジやレモン、グレープフルーツの香りを嗅ぐようにしました。まさに瞬発系のテクニックにも似た対策でした。

そうやって何度か過呼吸にならずに済んだ経験を積むうち、「過呼吸になりそうになっても、この3本のボトルを持っていれば大丈夫」と思えてきたのです。

不安と恐怖をなんとかしたいという目標に対して、アロマオイルを購入し、試すというスモールステップを踏んだことで、状況が変化しました。過呼吸への不安や恐怖は、まだ起こっていない未来に意識を向けることで起きていました。これを乗り越えるためには、未来ではなく「今」に意識を向けることが必要です。

柑橘系の香りが「今」に意識をとどめる手助けとなり、「いい香り」に集中することで気分を不快な感情状態から快の感情状態に変えてくれました。

成功体験の積み重ねで「自己肯定感」は勝手に高まる

スモールステップの成功体験を重ねることによって、自己肯定感は勝手に高まっていくのです。

私の場合、瞬発系のテクニックが心を安定させてくれたことで、最終的に過呼吸の症状が出なくなりました。その後、私は併発していたパニック障害を克服するために行っていた自律訓練法(第3章で紹介する持続型トレーニングの一種です)にもアロマオイルを使ったテクニックを盛り込み、家の外へ出られるようになりました。

つまり、瞬発系のテクニックがもたらした成功体験が土台となり、自己肯定感のしなやかなブレない自分軸をつくる持続型のトレーニングが簡単にできるようになったのです。

持続型と瞬発型は組み合わせるとより優れた効果を発揮します。そして、あなたの自己肯定感を高めてくれます。千里の道も一歩から。楽しみながら、とり組んでみてください。

写真=iStock.com/TakakoWatanabe

中島 輝(なかしま・てる)
心理カウンセラー

自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。