小さな習慣が大きく現実を変えていく

そして、これは瞬発型、持続型どちらにも共通することですが、小さなステップを踏む感覚を大切にしてください。

自己肯定感が高まるというゴールに対してさまざまな手法があります。今の気持ちを掘り下げながらワクワクする気持ちを探し出していくワークや体を動かして楽しむもの、バスタイムにリラックスしながら体を休めるもの。その1つ1つは、自己肯定感が高まるというゴールに向かうためのプロセスを細分化したものです。

そんなそれぞれの手法を実践し、1つの小さなステップを踏めたなと感じたとき、自分に「よくやったね」「できたー」「自分に○!」とご褒美の言葉をかけてあげましょう。

それによって、最終的に自己肯定感を高めることが潜在意識まで根づきます。どんなことがあっても、勝手に自己肯定感という感情が湧き出し、あなたの人生が「自分の人生って楽しい!」と感じるものになっていきます。

「スモールステップの原理」が効果的な理由

これはアメリカの心理学者バラス・スキナーが提唱した、心理学の世界で「スモールステップの原理」と呼ばれる考え方です。

達成したいゴールに向けて行うべきことを小さなステップに分け、1つずつ確実にこなすことで達成率が上昇。1つの小さなステップをクリアするごとに、「よくできた」という報酬を受けとることでモチベーションが持続します。

なぜ、「スモールステップの原理」が効果的かと言うと、人間の脳にやる気を出してもらうためには報酬系と呼ばれる脳の回路を満足させる必要があるからです。

報酬系を満たしやすい条件は、次の2つです。

■達成できそうな課題にとり組むこと
■課題を達成したという成功体験を得ること

「スモールステップの原理」は、この2つを満たし、報酬系を的確に刺激するので効果的なのです。

実際、私も苦しかった時期にスモールステップを踏むことで自己肯定感を高めていった経験があります。20代半ば、家から外に出ることができなかったころ、私はその原因の1つとして過呼吸の症状に悩んでいました。

過呼吸の症状が出ると息をうまく吐くことができなくなり、死ぬほどの苦しさを味わいます。頭では「過呼吸で死ぬことはない」とわかっていても、苦しさの記憶が強く残っているため、「過呼吸が来そう、来る、来る、来る……」と思ってしまうと恐怖で呼吸が浅くなっていき、体が硬直していくのです。

20代半ばの私にはいつも「過呼吸が起こりそう」という不安がつきまとい、自己肯定感は超低空飛行を続けていました。この不安と恐怖をなんとかしたい。それがそのときの私の目標でした。