40歳を超えると女性も保守的になる

ここまで見下しタイプについて考えてきましたが、実はこのタイプになるのはおじさんだけではありません。先ほども言いましたが、「人は年を重ねると保守的になる」です。つまり、男性だけでなく女性も保守的になる傾向があるのです。

40代に入ったら、自分は保守的になりがちな年齢なんだと、誰もが自覚する必要があります。気持ちは若いつもりでも、あるいは見た目が若くても、加齢にはそう簡単に抗えません。見下しタイプのおじさんを見て困った人だなと思ったら、20~30代の方は将来そうならないよう反面教師としてください。

そして40代以上の方は、自分も見下しタイプになってはいないか、ちょっとだけ振り返ってみていただければと思います。保守的な傾向や変化を嫌う傾向は年齢によるものであり、性別を問いません。その自覚を持っておくだけでも、上司としての人望には大きな差が出るように思います。

構成=辻村洋子 写真=iStock.com

田中 俊之(たなか・としゆき)
大妻女子大学人間関係学部准教授、プレジデント総合研究所派遣講師

1975年、東京都生まれ。博士(社会学)。2022年より現職。男性だからこそ抱える問題に着目した「男性学」研究の第一人者として各メディアで活躍するほか、行政機関などにおいて男女共同参画社会の推進に取り組む。近著に、『男子が10代のうちに考えておきたいこと』(岩波書店)など。