人はいつから「おじさん」になるか

最後は「見下しタイプ」です。昭和のおじさんは、特に若者を見下す傾向が強いようです。社会学の視点から説明すれば「人は年を重ねると保守的になる」から。加齢によって新しい価値観を受け入れることが難しくなってしまうんですね。

昭和のおじさんたちは40代をとうに超えていますから、保守的で変化を嫌う人が少なくありません。しかし、社会の風潮や流行は時代とともに変わっていくもの。彼らは自分が培ってきた価値観とは違う“新しいモノ”についていけず、理解できない物事を見下しがちになります。

ただ、これはいつの時代も起きてきたことです。おじさんたちによる新しい社会制度や若者文化への批判は、世代を問わず誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。近年なら、副業やYouTuber、定時帰り、男性の育休などへの批判がそれに当たります。これらはすべて「最近のポップスはつまらん、80年代はよかった」といったいかにもおじさん臭い物言いと、同じ理由から起きているのです。

おじさんにお世辞を言ってはいけない理由

もう一つ、見下しタイプの特徴を挙げてみましょう。彼らはあいまいさに耐えられず、明確な定義を知りたがる傾向にあります。若い人は「ヤバイ」「卍(まんじ)」などの言葉に見るようにあいまいさを楽しめますが、おじさんは耐えられません。定義がわからない、理解できないという気持ちが「最近の若者は言葉を知らない」などという見下しにつながってしまうわけです。

見下しタイプの男性の中には、若者だけでなく女性を見下す人もいます。このタイプの男性は「女性は自分の喜ぶ答えを言うべき」と思っているので、お世辞を真に受ける傾向も強いですね。おじさんの「俺いくつに見える?」は、冷静に考えると気持ち悪いものですが、我慢して優しく「30代後半」などと答えようものなら大変です。彼らはあなたの言葉を、優しさからではなく本気で言っていると思い込むでしょう。