手加減できない「論破タイプ」

2つめは「論破タイプ」です。論破は、相手を従わせたい、ねじ伏せたいという気持ちから起きるもの。加えて、きちんとしたコミュニケーションよりよっぽど簡単で、相手の経験値が低いほど実行しやすくなります。話は聞くけれど受け入れようとはせず、自分に従わせようとする……。そんな人は、そのほうが楽だから無意識のうちにそうしているのです。

彼らの多くは加減を知らず、常に100の力で論破しようとします。本来なら、部下を説得したり叱ったりする時は、自省する余地や明日も出社する意欲を残しておくために、50程度の力で済ませるべきです。

それができないのは、自分が上司からそうされてきたからかもしれません。あるいは、上司の仕事は部下を従わせることだと勘違いしている可能性もあります。いずれにしても、論破はコミュニケーションではありません。その意味で、論破タイプは「コミュニケーションができない人」とも言えます。

厄介すぎる「嫌味タイプ」

3つめは「嫌味タイプ」です。適切な批評なら価値がありますが、嫌味は相手に不快感を与えるだけで何も生み出しません。例えいいポイントを突いていたとしても、言われたほうは「もっと他に言い方あるんじゃないの」と不愉快になるだけです。

困ったことに、世の中には他人が嫌がる、傷つくことをして喜ぶ人が一定数います。さらに困ったことに、こういう人たちはパッと見ではわかりません。誰かに対してパワハラに当たる言動をしたとしても、された本人以外にはわかりにくいことが多いのです。

威圧タイプや論破タイプは周囲も雰囲気を感じとれますし、言われたことを伝えれば「それってパワハラだよね」と共感してもらえることがほとんど。しかし、嫌味タイプはこの2タイプと違って非常に厄介です。もし標的にされてしまったら、信頼できる上司や社内窓口に相談してください。一人で何とかしようとせず、第三者を挟んで解決することをおすすめします。