時間やコスト面など環境が整う今、再び学ぶチャンス

働きながら学ぶというと、主に語学や職務に直結しそうな資格取得を考えるが、あえて少し遠回りして、専門領域を体系的に学べる大学院に通う人が今、増えている。特に管理職世代の女性では、キャリアを中断せずに通える国内の大学院を選ぶのが主流。社会人大学院では実務経験重視で、入試に学科試験がない場合が多く、受験準備のハードルが低いことも人気の理由だろう。社会人が通いやすいように、夜間や土日に開講したり、会社に近い都心にサテライトキャンパスを設置していたりする学校もある。教室以外で学べるようメディア利用も進むなど大人が学べる環境が整ってきた。

イラスト=原 裕菜

大学院をめざす主な目的は、仕事を支える広い視野や、先端の専門知識を得ることだ。社会人の場合、研究テーマと業務の関係が深い場合が多い。現場のケースをアカデミックな視点から捉え直すことで視座が変わり、課題解決に結びつくフィードバックも期待できるという。修士論文を書き上げた頃には、社会経験に専門的な知見が加わり、より本領を発揮できるポジションへの昇進、新たなキャリア形成に結びつく可能性も高い。