重責を担う女性の勝負アイテムとは

以前の当連載でも触れましたが、日本において「男女雇用機会均等法」(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律。「雇均法」)が施行されたのは1986年4月です。法律が施行されても「男女差別」は続き、当時の意欲的な女性にとって気苦労の多い時代でした。ようやくこの10年で“こなれてきた”ように思います。

例えば、筆者が企業取材を本格的に始めた1988年は、企業の広報担当はほぼ全員男性で、若手男性も少なかった。それが現在、接する広報担当は女性が多く、広報部長や広報マネジャーが女性なのは珍しくありません。取材相手も同様で、経営者や営業本部長も女性が増えています。ふだんは性別を気にしませんが、改めて振り返ると隔世の感があります。

そうした責任ある立場を任される女性が増えると、プレゼンテーションなどの「勝負の日」と、実務中心の「内勤の日」に分かれます。経営層以外は服装もそうで、「今日は内勤なので、手を抜いた格好をしています」と話す女性も多いです。

今回は、働く女性の「勝負アイテム」について考えてみることにします。

ビジネスシーンを格上げする「靴」と「カバン」

下着メーカーとして知られるワコールが2月6日に発表した「働く女性の靴(パンプス)に関する意識調査」というデータがあります。

特に興味を持ったのが「あなたにとってビジネスシーン(重要なプレゼン、商談、会食など)を格上げする勝負アイテムは何ですか?」という質問項目。結果は次のとおりでした。

1位「服(スーツ)」54.3%
2位「髪型」39.8%
3位「靴(パンプス)」37.8%
4位「化粧」36.3%
5位「腕時計」23.0%
6位「鞄」15.8%
(複数回答)

上位のうち、服や髪の話は当連載でも取り上げてきたので、今回は「靴」と「カバン」に注目しました。取材先の事例も紹介しつつ、働く女性の意識を考えたいと思います。