3.仕事への取り組み方

お金を得る目的で仕事をしない。「何かを変えたい」が原動力

仕事はお金を得るためにするものと割り切って働いている人もいるだろうが、「お金だけを目的にすると、逆にお金には恵まれにくくなります」と加谷さんは指摘する。

「実業家として成功している人を見ると、お金もうけを意識していない点が共通しています。代わりにあるのは、『世の中の役に立ちたい』という強い信念。その結果として商品やサービスがヒットし、大きな利益を生み出しているのです。仕事に対するスタンスも同じで、『何かを変えたい』『社会に貢献したい』という情熱を持つ人ほど成果を残して高い収入を得る傾向がありますね」

たとえば、トップセールスマンが強引な営業をしなくても業績を伸ばせるのは、扱う商品に自信と誇りを持ち、顧客の目線に立った営業をしているため。結果は後からついてくるのだ。

「転職でステップアップしようというときも、『社会に何を提供できるか』という点に軸足を置くと、新しい職場が見定めやすく、働きに見合った収入が得られます。もし、収入がついてこないときは、自分の仕事に何かが足りないのかもしれない。お金はそういう振り返りの指針にもなるのです」

相手に期待せず、人の評価を気にしない。投資家的発想で働く

「頑張っているのに評価されない」「重要な仕事を任せてもらえない」

働く女性の中にはそんな悩みを抱えている人もいるだろう。

「仕事で認められたいというのは、いわば労働者的発想です。時間を会社に提供して、その対価としてお金や評価を受け取ろうとしているわけです。この発想に縛られていては将来の伸びしろはありません」

解決するには、発想の転換をすること。労働者的発想ではなく、投資家的発想を持ちたいという。

「投資家は自分が持っている資産をどこに投資すれば収益を生み出せるかを考えます。これを個人に置き換えると、体力、知識、人脈などが自分の資産で、それを投資する先が会社になる。つまり、会社という投資先で、いかに収益を最大化できるかが重要になるのです」

この発想の場合、自分にメリットがあるかどうかが判断基準になるので、社内の評価は二の次になる。会社の評価ルールや待遇が投資先としてふさわしくないと思えば、職場を変えるか自分でビジネスをするという選択肢も浮上するだろう。自分の資産の活かし方は自由。そう考えると会社への不満も薄れるはずだ。