謝罪と原因分析はいらない

我々がサポートしている企業でも、未達成業務について、幹部が社長に脂汗を書きながら謝罪するシーンが繰り返されている組織があった。識学的アドバイスを行い「謝罪や原因分析は不要なので、差分をどのように埋めるかを必ず考えさえて報告するようにコミュニケーションの取り方を変えてください」とした。

幹部は、謝ってもその場を逃げ切ることができなくなったため、必死で対策を考えコミットメントをするという習慣がついたため、生産性が目に見えて向上した。

このように見てみると、性別差の特徴によって、話が長くなってしまうのではないことがわかる。原因は、視点の置き方、重視するポイント、ということになる。会議が長い会社、部下との会話が長くなってしまう管理者のみなさんは、未来側に「じゃあどうするの?」という視点をメインに据えてコミュニケーションをとってほしい。

特に部下とのコミュニケーションにおいては、対策が期限と状態でコミットされていることをもって、原因分析はすんでいると見なし、対策に整合性を感じない時のみ、原因分析の詳細を聞くという順番にすれば劇的に“話が短く”なるはずだ。

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冨樫 篤史(とがし・あつし)
識学 新規事業開発室 室長

1980年東京生まれ。02年 立教大学経済学部卒。15年グロービス経営大学院にて経営学研究科(MBA)修了。現東証1部のジェイエイシーリクルートメントにて12年間勤務し、主に幹部クラスの人材斡旋から企業の課題解決を提案。名古屋支店長や部長職を歴任し、30~50名の組織マネジメントに携わる。15年、識学と出会い、これまでの管理手法の過不足が明確になり、識学がさまざまな組織の課題解決になると確信し同社に参画。大阪営業部 部長を経て、現職。著書に『伸びる新人は「これ」をやらない』(すばる舎)がある。