出産は日本でしたが病院のサポートも温かく、とても良い経験でした。東京は、各所にオムツ替えの施設があったり、公共交通が整っていたりと、今のところ子育てがしやすいと感じています。
私の20代は、ノルウェーよりもアジアで過ごした時間のほうが多いです。その経験は仕事を違った視点で見ることを教えてくれました。
台湾で生まれ、中国に7年。アジアにいると落ち着く
生まれたのは台湾です。父の仕事で1歳まで滞在し、その後7歳から2年半くらいを再び台湾で暮らしたので、私の中にアジアが根付いた時期でした。今や私はアジアにいるほうが、自分の故郷にいるような気がして落ち着きます。
ノルウェーを始め北欧の国では、アジアの歴史や政治などを深く学ぶ機会は、普段はありません。大学に入ったとき、中国学を専攻すると言うと、周囲からは「なんでそんなところに興味を持つの?」と驚かれました。結果的には、中国は世界から注目される国になり、私が駐在していた7年間でも大きく変化を遂げる様子を体感することができました。
日本に来て、2年が過ぎました。日本語は読めますが、会話はまだ苦手なので、詳しく知りたいことをうまく聞けないことが多く、もどかしいです。仕事でさまざまな土地に行ったり、人にお会いしたりすると、どんどん質問したいことが生まれてくるのです。
日本は、本当に多彩な魅力にあふれる国だと思います。そしてなかでも私は東京が大好き。日々新しい魅力を発見しています。今後はもっと多くの場所を訪れたいですね。
●面積:38.6万㎢●人口:約529万人●首都:オスロ●政体:立憲君主制●女性の就労率:77.5%(男性:83.9%)
※ノルウェー中央統計局(2016年)。20~66歳の就労率統計。
構成=岩辺みどり 撮影=干川 修
在日米国大使館 広報・文化交流担当公使 イリノイ大学でコミュニケーション学博士課程のうち、2年間の研究を修了。その後ノースウエスタン大学で映画学の修士号、ジョージタウン大学で国際関係学の学士号を取得。1995年国務省に入省し、ハンガリー、韓国、日本、ワシントンD.C. 、フィリピンなどに勤務。2018年より現職。日本駐在は2回目。
2005年オスロ大学中国学・人文地理学修士課程修了。駐中国ノルウェー大使館でのインターンシップを経て、08年より同大使館二等書記官、11年より一等書記官。13~16年ノルウェー外務省東アジア・オセアニア課アドバイザーを務めた後、16年より駐日ノルウェー大使館に勤務。