今、若い女性たちの相談に乗るときには必ず「あなたの言葉は価値のあるものよ」と伝えています。日本もアメリカも、まだまだ男女の権利は平等とは言えませんが、だからこそ諦めないで声に出していきましょう。私はとてもポジティブに考えています。これからみんなが仕事でも家庭でももっと充実した日々が送れるように、世の中を変えていきましょう。

▼アメリカは、こんな国
●面積:962.8万㎢(日本の約25倍)●人口:3億2775万人●首都:ワシントンD.C.●政体:大統領制、連邦制●女性の就労率:56.8%(男性:69.2%)
※アメリカ労働省(2016年)。16歳以上の就労率統計。

男性の育休取得は当然。保育園には必ず入れる

現在、ノルウェーの首相は女性(アーナ・ソールベルグ氏)、在日ノルウェー大使も女性です。ノルウェーは「働く女性にとってベストな国」で世界3位(日本は28位。2017年調べ)。「ジェンダーギャップ指数」でも世界2位(日本は110位。18年WEF調べ)となり、男女平等では世界でも有数な国の1つかもしれません。

在日ノルウェー大使館 一等書記官 トーネ・ヘレーネ・オールヴィークさん

確かに、女性が働くのは当たり前で産休や育休後は必ず復帰しますし、男性の育休取得も当然視されています。保育園も多少の待ち期間があったとしても、必ず席が確保されることになっています。

一般的には有給休暇は年25日あり、3週間まで連続で取ることができます。だいたいみんな休暇は消化します。ただし、長い休暇を取る際は、同僚と業務をカバーしあったり、繁忙期を避けたりという配慮はもちろん必要です。子どもがいる家庭では、学校は夏に6~7週間休みになるので、夫婦交代で休みを取ったり、子どもをサマースクールに入れたり、祖父母に頼んだりと、それぞれ計画的に乗り切ります。

長時間残業は意味がない。成果主義で結果を重視

ノルウェーでは残業する人はあまりいませんが、それは徹底した成果主義だからでしょう。長く会社にいることに価値はなく、成果を出すことが重要だと考えられています。勤務時間もフレックス制が一般的ですし、在宅勤務が認められている会社が多く、子どもがいる人はオフィスに行くのを最低限にして、お迎え後の夕方や夜に家で残りの仕事をする人も多いです。ノルウェーの女性にとっては、自分のキャリアを続けることは当たり前。しかし、レベルの高い仕事に就きたいならやはりそれなりのコミットメントが必要なのは、どこの国も同じだと思います。

私も子どもが生まれてからは、いろいろ犠牲にしなくてはいけないことに気づかされました。例えば、友達との時間や自分がゆっくりしたり運動したりする時間はなかなか取れません。だからこそメリハリを大事にしています。息子といる時間はスマホをなるべく見ないで、子どもとの時間を楽しむ。朝は保育園の登園の道を一緒に、会話を楽しみながら行くようにしています。