一度全部を手放すと「大切にしたいこと」が分かる

育児が本当にしんどくなったとき、一度ぜんぶ怠けてみた。もう、育児も、家事も、自分のことも、すべて。そうしたら、自分は「何を怠けるとストレスがかかるのか」がわかりました。水回りが汚いのだけは耐えられないから最低限のキレイを保つ、とか。片付けや掃除ができない方がストレスだから、その分料理の力を抜こう、とか。手を抜いても自分にとってストレスにならないことはやらない。逆に、やらないと罪悪感を感じるものはやった方がいい。人それぞれ「何を大切にしたいのか」が違うのに、自分が大切にしたいことに「なんでこんな非効率なことやってるの?」と言われると、なんだか自分自身も否定されているようでつらくなりますだから、自分が「大切にしたいこと」に時間をかけるためならば、その他のことを効率化するなり手抜きをするなり方法を考えればいい。

私がもっとも大事にしているのが、「自分で自分の機嫌をとる」こと。「自分が幸せな気持ちになるリスト」を作るだけで、楽しい気分になります。例えば……。

●ココアを牛乳100%で飲む(貧乏性なので、いつもはお湯で飲む)
●コンビニにスイーツを1個買いに行く(1個じゃおさまらないけど)
●マンガ(電子書籍)を1冊買う(1冊じゃおさまらないけど)
●好きな音楽を絶叫しながら歌う(主にアニソン、懐メロ専門)

自分の機嫌とりは、生きていく上でとっても大事にしています。

「頼りたくない。自分でやりたい」という気持ちをがまん

私は、育児に疲弊しているとき、「すべてを自分でやらなくては」と考えていました。「できるなら、ぜんぶ自分でやりたい」と。子どもの日々の成長を見逃したくないし、すべてをやってあげることでママが一番だと思ってほしいから。長女を産んだ直後は独占欲もあったのか、他の人に娘を抱かれるのが心底嫌でした。でもそれが、結果的に自分の首を絞めているということにも気がつかずに……。私じゃないとダメなんだ。他の人には任せられない、と、全部自分で抱え込んで、いっぱいいっぱいになってしまう悪循環。そして、とうとう自分では抱えきれなくなって初めて、「これじゃダメだ」と気付いてからは、「頼りたくない。自分でやりたい」という気持ちをがまんして、まず近くにいる義母に頼る練習をすることにしました。

1時間だけ預けて、その間に私は寝かせてもらう。泣いているときに、抱っこをバトンタッチしてもらう。「ごはんを作ってほしい」と伝えて甘えさせてもらう。勇気を出して小さいお願いをしてみると、義母も、素直に頼られたり甘えられたりすることがうれしかったようで、まず、私と義母の関係が良くなりました。義母との関係が良好になると長女に対する独占欲のようなものも薄れていき、頼ることに嫌悪感や罪悪感を感じることもなくなっていきました。そして、人に頼ることの心地良さというか、心が軽くなっていくのを感じました。

もともと義母と険悪だったわけではありません。ひとりで頑なだった私が素直に「もうダメだから助けて」と頼ることで、さらに関係が良くなったのです。