ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2018年版では、日本は149カ国のうち110位でした。日本では男女の収入格差、管理職ポジションに就いている人数の差がまだまだ大きいです。また、国会議員の男女比、女性閣僚の比率など政治的な意思決定への参加の評価が非常に低いのです。
「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分業が日本ではまだ残りますが、海外ではこの手のことは年齢などと共に口にするのもタブーとなっています。また、シンガポールでは各国の大使という役職にも女性が就いていることも多いです。女性経営者もたくさんおり、女性であってもある程度の社会的地位や収入があった方が魅力的だと思う人も多いようです。
「女性は家庭」は固定観念
メイドサービスが安価(月5万円前後)で利用しやすい香港では単身世帯の女性もメイドを利用するのがごく一般的です。それほど高所得でなくても、掃除や食事の準備などの一切の家事から解き放たれて仕事や趣味に勤しむ若い女性も多く存在するのです。
シンガポールではメイド税があり、香港よりはコストが数万円高くなるので単身よりは家族単位で利用するケースが多いです。専業主婦でも子供が学校に行っている間はメイドに家事を任せてジム通いという人もたくさんいます。このようにシステムが整っている国の女性の多くは家事育児に忙殺されることなく自分のライフスタイル、人生を楽しんでおり、母になったとしても、趣味や交友などを大切にするのです。
子どもは社会で育てるもの
中華圏では今でも子供は社会が育てるという文化が根付いており、周りの人が育ててくれる土壌もあります。子供のバレエの発表会やイベントなど、日本だったら保護者が駆り出されるような場でも、外国人の保護者らはドロップオフ(母子分離で子供を置いていく)をするのが一般的。スタッフも責任を持って預かるから休んできてという感じです。私はまだ子供の年齢が小さくて不安で近くにいたのですが、本当に何もやることがなくて文化の違いに驚きました。
また欧米人は、シンガポールでも生後すぐに子供を別室に寝かせて、母乳も3カ月程度でやめるという女性が多いです。そうすることによって子供も自立をするので母子分離も早期から可能になるようです。また、夫婦での時間を大切にすることができるので欧米人はカップル単位でパーティーなどにも参加する機会が多いようです。もちろん子供は置いていきますし(メイドなどが面倒を見る)、そのことに罪悪感も抱いていないようです。もちろん他人に口出しをしたりもしません。
近所のジムに平日の夜に出かけた時のこと、現地の人から「あなたの旦那さんは日本人なのに夜外出させてくれていい人だね」と言われ驚きました。夫が日本人だと夜の外出はできないとシンガポール人も思い込んでいるようなのです。