完璧を目指さない生き方をしよう

「女性だから(母親だから)こうあるべき」という精神的な呪縛が日本人女性を苦しめているように思います。私は自営業の家庭で育ったので自宅に併設されていた事務所で家族や従業員がいつも働いている姿を見て育ちました。家に帰ると家族の姿はあるものの忙しく働いているので一人で遊ぶことが習慣となりました。祖母や母も働いていたために、大人は女性も働くものという意識が子供の頃から身についていました。また父親が早く他界したことも私の人生観を大きく変えたのかもしれません。相続や事業承継も未成年の間に経験をしたのでお金に対する意識が変わり、働いて収入をつけなければとずっと思っていました。母親が専業主婦で家事をする姿しか見ていなかったらまた違ったでしょう。

日本より物価の高いシンガポールで、平均的な家庭は共働きで保育園を利用しています。共働きをしてたくさん稼がないと生活費や老後資金を賄うことが難しいからです。「お金のため」と一本軸を作ると、色々迷わずにシンプルに考えることができ、腹をくくることができます。「お金のことばかり」と思われる人もいますが、やはりお金の問題は解決しておいたほうが人生の問題を一つ減らすことはできるのです。女性の人生には色々あり、パートナーと死別や離別をする機会もあります。そんな時も経済的に自立していればお金の問題を抱えずに済みます。性別役割分業にとらわれ過ぎずに、自分の収入だけで自活できる(子供がいる人は子供を育てられる)ように自立し続けられるようにしたいですね。

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