タレントの渡辺満里奈さんは現在、高3の息子と中3の娘を育てている。フェミニズムについて積極的に発信する作家のアルテイシアさんと渡辺さんが、性教育やルッキズム、エイジズムについて語り合った――。(第1回/全2回)

※本稿は、アルテイシア『だったら、あなたもフェミニストじゃない?』(講談社)の一部を再編集したものです。 

洗濯物を手で洗う子どもの手
写真=iStock.com/Natalya Maisheva
※写真はイメージです

長男は3歳から自分でパンツを洗っている

【アルテイシア(以下、アル)】性教育はどうされてますか?

【渡辺満里奈(以下、渡辺)】長男が生まれた時、加害者にも被害者にもしたくないと強く思って、小さい頃から話そうと決めてました。まずは3歳くらいから自分の下着は自分で洗うように教えました。

【アル】おお〜すごい! 3歳でも自分のパンツ洗えるんだから、おじさんも洗うべきですよ。

【渡辺】成長してから「パンツを汚してもママが洗ってくれる」と思われるのがイヤだったので、自分で洗うことを当たり前にしたかったんです。あと生理の時一緒にお風呂に入るようにして「生理というものがあってね」と説明したり、LGBTQ+の話もしました。

【アル】めっちゃおうち性教育してますね! 学校にジェンダーの授業に行くと、危機感を覚えるんです。女子学生から「セックスを断ると『俺のこと好きじゃないの?』と彼氏に責められる」といった悩みを聞く一方、男子校に行くと「性的同意ってなんですか?」と聞かれる。性的同意について、お子さんも教える必要が出てくるお年頃ですよね。

「イヤだと言われたらイヤ」早いうちから話してきた

【渡辺】私は小学校高学年くらいから話すようにしてました。親の知らないところで性的なことに興味を持ち始めるから、正しい知識を伝えなきゃいけないなって。たとえば「アダルトビデオは現実とは違うよ」「イヤだと言われたらイヤなんだよ」「いいじゃんって迫るのはナシだからね」とか話してます。

あと「あなたが嫌がることをする人はあなたのことを大切に思ってない。そういう人に好きだと言われても、自分が好きだと思っても、よく考えてね」とか。

大きくなると親からも言いにくいし子どもも嫌がるので、なるべく早いうちから言うようにしてました。

【アル】女友達が中学生の息子の部屋からコンドームを発見してしまい、尋問してしまいそうだと悩んでいたので、シオリーヌちゃんの『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)を紹介しました。この本は性教育動画のQRコードも載っていておすすめです。今は子どもの年齢に合わせた色んなコンテンツがありますよね。

【渡辺】とはいえ親がいくら伝えても、子どもが失敗してしまうことはあると思うんです。せめて抑止力になればと思って、言い続けなければという気持ちですね。

【アル】自分も失敗だらけの人生だったので膝パーカッションです。