「食べ放題のサラダバー」が大人気
ファミリーレストランの「シズラー(Sizzler)」という店があります。国内に10店、世界5カ国で220店以上あり、日本の店舗は「シェーキーズ」「ロイヤルガーデンカフェ」および専門店等を運営するアールアンドケーフードサービスが経営しています。
この店の人気メニューが「プレミアムサラダバー」です。新鮮な野菜
ロイヤルHDの広報担当者は「野菜だから大丈夫、という意識もあるのか、見ていて気持ちいいぐらい、みなさんたっぷり召し上がります」と話します。都内の店を利用すると、確かに女性客が多めです。名物のチーズトーストやパスタなどを食べると、摂取カロリーは高くなるでしょうが、みなさん楽しそうに食事をしていました。
「野菜たっぷり」が、自分への言い訳に
前回の当連載記事で「麺類が人気の外食チェーン店では『大盛りメニューが女性に大人気』」と記しました。実はこの店は「長崎ちゃんぽん リンガーハット」です。国内に600店以上展開する同店の人気メニューの1つが「野菜たっぷりちゃんぽん」(税込み799円など=地域によって価格が異なる)。野菜が480グラム、麺が200グラムで、カロリーは831カロリーです。一回り小さい「野菜たっぷりちゃんぽんミドルサイズ」(野菜360グラム、麺150グラム、576キロカロリー。税込み615円など)もあります。
「私も時々行きます。『野菜たっぷりちゃんぽん』を頼むことも多いですね。量はミドルサイズでないほう。言われてみると、がっつり食べるほうだと思います」(宿泊施設勤務の30代女性)
「シズラー」と「リンガーハット」のメニューを注文する女性の共通心理は、「たくさん野菜がとれること」です。ランチセットにつくミニサラダではなく、「野菜をしっかりとった」という身体へのいたわり(のようなもの)。それがあればたくさんの量を食べて、その時の食事を楽しむのです。
忙しく身体を動かせば「お腹も減る」
「女性=少食(小食)」というのは過去の話ではないかと、さまざま消費者を取材してきて感じます。もちろん人によりますが、総じて昔とは体格も違い、ビジネス現場では男性と同じ仕事をする女性がどんどん増えています。
「忙しく働けばお腹も減る」。それは家事労働も同じです。洗濯や掃除がどれだけ体力を使うか、やってみると実感します。空腹を満たすだけでなく、自分へのごほうびに近いのが、ここで紹介する「大盛りメニュー」ではないか。こうした意識への男女差はどんどん縮まっていると感じます。