シングル女性にとっても他人事ではない

そして、性別分業については男女ともに意識改革が急がれます。日本は「男が上、女が下」といった文化のもとで歩んできました。高度経済成長期は「男は仕事、女は家庭」で回っていたのかもしれませんが、父親1人の働きで家族を養える時代はすでに終わっています。今後、男性の給料はさらに上がりにくくなっていくでしょう。

そうなれば妻の働きが重要になります。少し前は、家計の補助としてパートタイムで働く妻が多数派でしたが、今はフルタイム共働き時代。この時代に合わせて、男女ともにすぐにでも意識を改めなければなりません。

こうした課題は、シングルの女性にとっても他人事ではありません。生涯未婚の女性が増加する一方で、男女の賃金比は10対7のまま。男性の7割しかない収入で、定年までどう働きどう生きていくのか。この不平等な現実に、シングル女性もぜひ問題意識を持っていただきたいと思います。

話題にするだけで終わらせない

義務化というワードによって、男性の育休に注目が集まったのは事実です。アピールは成功したと言っていいでしょう。ただ、本当に大切なのはここからです。「どうあるべきか」を主張するだけでは終わらせず、現状が「どうあるか」をしっかり分析した上で、実効性のある政策として展開することです。

そして、世の父親たちは最低2カ月の育休を取得してほしい。産後の体調は体質などにもよるでしょうが、僕の妻はなかなか回復せず、本当につらそうでした。2016年1月に子どもが生まれた際に、僕は大学の春休みを利用して2カ月間ずっと家にいました。育児をがんばるつもりだったのですが、この体調の妻に家事も育児もさせるなんてあり得ないと思ったものです。この経験のおかげで、育休中は妻のケアも重要な仕事なんだと気がつきました。男女ともに育休をとって当たり前の時代が、早く来るよう願っています。

写真=iStock.com