出産後に育休をとる女性は増えてきたけれど、男性となるとまだまだ少数派。これを増加させようと、男性の育休取得を義務化する動きが出ています。男性学の第一人者であり、自身も子育て中の田中俊之先生は「男性は育休を2カ月とるべき」と賛成するものの、その実現には2つの条件があるという――。
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夫&父親として力を発揮せよ

最近、有志の議員連盟が男性の育休取得義務化を提言して話題になりました。まず前提として僕は男性の育休には賛成です。ではどれぐらい取ればいいのかということですが、期間は最低でも2カ月。これには2つの理由があります。

1つ目の理由は、妻のケアをするためです。女性は出産後に6~8週間ほどの産褥期(体が妊娠前の状態に回復するまでの時期)があり、この間は体をゆっくり休めることが大事だと言われています。男性は「家にいるんだから妻は休めているはず」と思いがちですが、これは大間違い。家にいても、家事や育児に追われていたのでは休養にはなりません。

誰かに代わってもらいたくても、頼みの綱の夫はフルタイムで勤務中。里帰りすればいいと思う人もいるでしょうが、誰もが親に頼れるわけではありません。家に子どもと2人では結局、自分で動かざるを得なくなります。加えて、体調が悪い時には自分をケアしてくれる人も必要ですね。産褥期には、夫が家にいて家事や育児、妻のケアを担うべきなのです。

発達心理学の観点からも最初が肝心

2つ目は、生まれてきた赤ちゃんに保護者として認めてもらうためです。発達心理学の知見によれば、乳児は生後3カ月の間に自分を保護してくれる愛着の対象を決めるそうです。つまり、この期間に関わりが薄かった父親は、その分だけ子どもとの関係性が希薄になります。父親に寄ってこない、抱っこするとギャン泣きする──。育休を2カ月とってしっかり世話をすれば、後でそんなふうに嘆くお父さんはかなり減ると思います。