仕事満足度も世界ワースト1位

「仕事の満足度」を尋ねたデータもあって、日本は世界でワースト1位です(図表2)。また、「現在の自分の仕事を面白い」と答えた人の割合も世界でワースト2位(図表3)。半数以上の人が面白く感じていません。これは仕事に求める(求められる)クオリティが高すぎて、それがストレスとなり、仕事が楽しくないと感じている人の割合が高いのだと考えられます。

そのストレスの原因には、本来やらなくてもよいような仕事が多くて疲弊してしまっているという事情もあると思います。日本の会社組織では、とかく形式にこだわります。物事が決まるまで数々の根回しなど儀式的なことが必要で、それだけで疲れてしまいます。それがよい結果につながるわけではないから徒労感だけが残ります。日本の会社も幹部の人たちが形式にこだわらなければ、みんながもっと楽に仕事ができるはずです。

男性優位なのに仕事満足度が低い現実

ところで、この「仕事の満足度」を男女別に見ると、日本では、男性の方が女性よりも満足度が低く、しかもその差は世界で2番目に高いという結果が出ています(図表4)。男性優位な社会なのになぜと思うかもしれませんが、男性が稼ぐことを強く求められる社会は、男性にとってしんどいのです。日本の男性が幸福を感じにくい理由も、男性のほうが会社組織に縛られている度合いが高いことが考えられます。ちなみに男性の仕事の満足度の低さが日本を上回る唯一の国はジョージアですが、この国も、男女平等に関する評価が決して高いとは言えない国です。