土の中で眠っていた虫たちが、地上に出て活動し始める啓蟄。すべてのものが活発になる時期だからこそ、ついていけない焦りから自律神経が乱れることも。「啓蟄」のココロとカラダの養生法をチェックしましょう。

啓蟄の時期、花粉症の人は、症状悪化に注意!

3月5日~3月20日は啓蟄(けいちつ)です。啓蟄は冬ごもりをしていた虫が、春の気配を感じて土の中から出てくる頃とされています。この時期は桃の花が咲くとともに、ひと雨ごとに暖かくなり、春へと近づいていきます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/caoyu36)

しかし、この時期は三寒四温といわれるように、暖かさと寒さが交互に訪れるため、体温調節がとても難しくなります。体温調節は自律神経が行うため、自律神経機能が弱い人は、調子をくずしやすい季節でもあります。さらに、自律神経機能は免疫機能と密接に関係していることから、アレルギー症状が悪化しやすくなります。花粉の飛散量の増加時期と重なるため、花粉症の人は特に自律神経を整え、体調管理に努めましょう。

啓蟄のはじまりには、野山にワラビやゼンマイを見つけられ、スミレが咲き乱れます。海では、鰆(サワラ)が旬を迎えます。サワラは魚へんに春と書くことから、古くから春を告げる魚といわれています。次候には桃の花が咲きはじめ、新タマネギが収穫の時期に。また、春の魚の代表、サヨリも旬を迎えます。そして、終わりである末候には、春を告げるチョウ、ヤマトシジミが飛びはじめ、ワサビやカタバミなどが旬を迎えます。

適度な運動と休養をバランスよく取り、心身の充実を

啓蟄は、植物や動物が活発に活動をはじめる時期。そのため、カラダを動かしたり、何かをスタートするのには適しています。ハイキングに出かけるにもよい季節ですが、運動が苦手という人は、まずは近所への散歩からはじめてみましょう。歩くことで血液やエネルギーを循環させることが大切です。

なお、啓蟄はカラダも自然界も大きく動きはじめる時期であるため、血液量を調整する自律神経が低下していると、疲れやすくなり、やる気が起きにくくなります。眠れない、疲れやすいなど自律神経機能の調整がうまくいかないときは、無理に運動するのではなく、まずは、自律神経を整えるのが大切です。

啓蟄は、物事が活発に動き出すぶん、心身ともに疲れがたまりやすくもなります。疲れがピークになると、やる気もなくなり、熟睡しにくくなります。さらには、物事に集中できなくなり、気持ちが落ちこみやすくなったり、自信をなくしたりすることも。そのため、この時期は、適度にカラダを動かしながら休養もしっかりとり、心身ともに充実させるように心がけましょう。