イラストのように文章や言葉を「見る」
1冊を速く読み切るには、文字を読むのではなく、文字に目を通すという感覚に慣れることが大切。具体的に説明をすると、イラストを見るような感じで文章を見て、どんな言葉が使われているのかを確認していくイメージです。特に1回目は、目に入ってきた言葉を覚えたり、その意味を確認する必要はありません。知らない言葉だったら「知らない」まま、次に進んでいけばよいのです。
文章の音声化をやめ「見て理解」する意識を
文章をイラストのように見ることができると、頭の中で文章が音声化されなくなります。文章の音声化はどうしてもスピードに限界があり、速読にとっては弊害です。どんなに速く黙読しても、頭の中で音声化していると、1ページを読み切るのに30秒以上はかかってしまいます。
言葉を音声化せずに「見て理解」すると、人によっては2倍の速さで読めるそうです。難しく感じる人もいるかもしれませんが、ほとんどの人が知らず知らずのうちにできていることなのでご安心を。たとえばメニュー表やツイッターの記事も文字で書かれていますが、パッとひと目見れば内容を把握できるはず。ツイッターなどを見ているときが、まさに「見て理解」している状態です。
しかし、本で試してみようとしても、慣れないうちはなかなかうまくいきません。なぜなら、本の文章は1度に目にする文字数が多すぎるから。まずは漢字で始まる言葉と接続詞、文末だけに注目するとよいでしょう。
文章で「見て理解」する感覚をつかむには、新聞でのトレーニングがおすすめです。紙面によって違いはありますが、新聞の1行は11~13文字。1行が固まりとして見やすい文字数なので、行単位で目線を横に動かす練習をしてください。最初は60~90秒ほどで読み終わる短めの記事から挑戦を。記事の内容を覚えることが目的ではないので、目線の動かし方に意識を向けるようにしましょう。
新聞1行読みトレーニング
●視点を行の中心に置き、1行全体を見て読み進める●文字数の少ない記事から始める●1つの記事を60~90秒のスピードで見る●内容の理解よりも目線の動かし方に注意