悩み【1】
痛くはないけれど、排便時に中からイボが! たま~に出血もします

鮮やかな赤い出血が特徴。悪化するとイボは出たまま、押しても戻らなくなります

肛門を閉じる働きをする「クッション」と呼ばれる部分がふくれ、外に出てきたイボ痔(内痔核)かもしれません。痛みはほとんどありませんが、鮮血が出ることが多いです。いきみの繰り返しや便秘、激しい下痢、重い物を持つ、立ちっぱなしや座りっぱなし等、肛門に負担をかけることが原因で起こります。軽度ならイボは自然に肛門内に戻りますが、やがて出たままになり、指で押しても戻らなくなるほか、粘液が染み出て下着を汚すことも。

排便時にイボが脱出するが自然に戻る状態。(イラスト=長野ともこ)

【治療法】
 まずは座薬・軟こう等の薬で治療。治らない場合に薬剤の注射で患部を硬化させて固め、外に出てこないようにするALTAや、イボ痔の根元をゴム輪で締め付けて脱落させるゴム輪結紮(けっさつ)療法などを行います。

悩み【2】
ある日突然おしりに激痛が走った! 排便したときに出血も

肛門の外に血豆ができたお尻の風邪のような状態。やがて自然に治ります

肛門周辺を突然の激痛が襲った場合、静脈がうっ血してできた血栓(血豆)による血栓性外痔核の可能性が高いです。皮膚が破れて出血することもあり、たまらずに病院を受診する人が多いですね。「便秘でいきんだ」「1~2週間も下痢を繰り返していた」「毎日のように飲酒」「辛い食べ物が好き」「立ち仕事が多い」など、肛門に負担をかけることによってできる“お尻の風邪”のような痔。血栓が大きい場合は、座るのも困難なほど痛みます。

肛門周辺の静脈がうっ血し、血栓が生じる。(イラスト=長野ともこ)

【治療法】
 軟こうと内服薬を用いて様子を見ます。肛門の外側にできる痔なので、内側に押し戻そうとしても引っ込むことはありません。自然に治りますが、何度も繰り返す人も少なくありません。一番の予防法は体調管理です。