痔は20種類も! がんか否かを確かめて
“おじさんの病気”というイメージが強い「痔(じ)」だが、実のところ性別は無関係。「年齢もあまり関係なくて、20歳以上はどの世代もまんべんなく発症しています。誰でもかかる可能性がある病気です」とマリーゴールドクリニック院長の山口トキコ先生。
また妊娠・出産を機に痔になってしまう女性は多いものの、それは周産期特有の便秘、うっ血やいきみに起因する一過性のもの。
痔の種類は20近くもあるが、「イボ痔(痔核(じかく))」「切れ痔(裂肛)」「痔瘻(じろう)」が三大痔疾患。なかでも患者数が多いのは、本来肛門の内部に収まっているべき部分がイボのように出てきてしまうイボ痔。硬い便の排せつ等によって起きる切れ痔は女性、特に20~40代に多い。一方、細菌が原因で肛門腺が化膿(かのう)し、穴が開く痔瘻は男性の比率が高い。
「痔は千差万別。治療法もさまざまで、病院に行かず、市販薬だけで治療できる場合もありますが、気をつけてほしいのはがんか否かの診断です。おしりからの出血は、大腸がんのサインである可能性もあります。2005年以来、女性の死因の1位は大腸がん。出血が長引くようなら、内視鏡検査を受けてください」