写真=iStock.com/stockstudioX

大企業サラリーマンの働き方が変わる

さて、給与所得者を選んだビジネスパーソンが、今後どんなことに遭遇しても生きていける人材になるには、まず「明日会社がなくなっても困らないように、自分の仕事を高度化する」ことだ。そのためには、

・どの企業からも求められる能力や専門性を備える
・指示された仕事、やらなくてはいけない仕事だけでなく、自分の能力や専門性を高度化できるように今の仕事に取り組む
・現在従事している業務を通じて、自分の能力や専門性を高め、プロと呼ばれるように仕事に取り組む
・取引先との交渉力や営業力を磨く
・多くの人たちや部下を動かすリーダーシップ能力(職位ではない)を身につける

といった取り組みで、自身のスキルを高めておきたい。

さらに企業の看板でなく、自分の力で顧客や取引先を見つける営業力を磨き、人的ネットワークを強固にできたら、何よりも強い味方になる。大企業で働くビジネスパーソンほど、仕事は仕事と割り切って、仕事で知り合った人との縁を重視しない人が多い。とくに仕事の発注先である中小企業に対しては顕著だ。大企業の社員は会社を去ればただの人だが、中小企業の幹部や役員は、多くの人たちに助けられ、支えられてきただけに、人的なつながりが強く、人との縁を大事にしている点は正反対だ。

いい仕事をしていれば、声がかかる

大手商社で中小企業に資材を供給する業務を担っていた人が定年を迎え、取引先だった企業の経営者から請われて営業幹部として再就職し、その後グループ企業の社長に抜擢された事例がある。この事例が示すのは、いい仕事をしていれば、必ず誰かが見ており、他社から請われる人になれるということだ。

「定年を迎えたら、新たな就職先を探そう」「企業が早期退職を勧告したので、受け入れてから、転職先を見つけよう」。もしこのように考えていたら、人生の後半戦は極めて不本意に終わる可能性が高い。在職中に自身の能力を高め、人との縁を大事にして来なかった人も同様だ。

・他社から、ぜひ欲しいといわれる人
・仕事で知り合った人と、仕事を離れても親しくしている人
・取引先の幹部や経営者から評価され、信頼される人
・専門性と顧客開拓などの営業力を発揮している人

こうした要素を備えた人には、社外からチャンスが来る。彼らの転職は、転職情報メディアや紹介会社から見つけるのではなく、他社から請われてのものだ。

実力者なら、企業規模に関係なく活躍できる

いい大学に入り、名の知れた大企業に就職し、人生前半戦で勝者と呼ばれる人たちがいる。彼らはエリート意識が高く、名もない中小企業に再就職することなどプライドが許せないという人もいる。こうした人ほど他社から請われることはなく、人生の後半戦で寂しい時間をすごすことになる。過去に生きる人間に、社会から声が掛かることなどないからだ。

本当に実力のある人なら、規模に関わらず無名の企業に入って、その企業を誰もが知る企業に成長させる方法を考え、実行するだろう。希望・早期退職者のなかにも、中小企業の成長をサポートできる実力のある人材が含まれているに違いない。大企業サラリーマン出身者が、中小企業へ請われて転職する流れができれば、もしかしたら後継者不足の問題の解消につながるかもしれない。

そして何より、大企業では居場所を失ったビジネスパーソンが、定年となる年齢をすぎても、実力を発揮する場を与えられれば、これまでとは違うシニアライフが実現するだろう。逆に言えば、40代、50代のビジネスパーソンにとって、毎日どのように仕事に取り組んでいるかが、人生の後半戦を左右することになるに違いない。