"卑弥呼"は天皇補佐するキャリアウーマン
増え続ける客であふれんばかりになった21時ごろ、人気イベントの「数寄語り」が始まった。
常連客の1人が、自分の好きな時代や人物などについてプレゼンするというもので、この日のお題は「卑弥呼」。歴史上最も有名な女性の1人だが、弥生時代の人物であること以外は一切謎で、『日本書紀』などの日本の史書には登場しない。卑弥呼とは人の名ではなく、男性の天皇を補佐しながらともに国を治める人を指した言葉で、いわばキャリアウーマンの先駆けであった……。そんな話が15分に凝縮して語られ、知的好奇心が満たされた夜だった。
後日、オーナーの渡部麗(わたなべりょう)さんにこのバーを開いた理由を聞いた。「歴史好きの僕が目指しているのは『歴史のポップ化』。もっと気軽に誰もが歴史を語りながら交流できる場をつくりたくて、レキシズルバーを始めたんです」。
だからマニアックな知識がなくても楽しめ、誰とでも構えずに交流できる場になっているのだろう。
歴史について誰かと語り合いたくなったら、足を向けてはいかがだろう。知らない間に知識も身についているはずだ。
「レキシズルバー」は、ショットバー「渡部商店」にて毎週水曜開催。東京都千代田区神田駿河台3-3 イヴビル1F TEL:03-3293-0733 営業時間:18:30~23:00(L.O.)