城の「石垣」のどこがかわいいのか?

そんな話から始まり、門の上に設置された“石落とし”、簡単に堀を渡れないように底が障害物で仕切られた“障子堀”など、城を守る仕掛けの説明を聞き、難攻不落の理由を実感することができた。

(上)城好き女子の心をとらえたのは当時から残る石垣。(下)小田原城の形をした優しい味わいのもなか。城下町ならではの甘味。

専門家によるタメになる説明もさることながら、思い思いに城歩きを楽しむ参加者の姿も印象的だった。崩れた石垣の奥に見える“裏込め”と呼ばれる石を、慈しむように身じろぎもせず見入る人。石垣に使われた岩の切断面に残る“矢穴”を見て「縦に割りたかったのに横にしか割れなかったんだな。かわいい」と萌(も)えている人。“石垣好き”が多いことに驚くとともに、城の新たな見どころも発見できた。

4時間ほど歩きまわった後は、城近くの風情ある甘味処「清閑亭」へ。最後は甘いモノで締めるのも女性限定のイベントならでは。小田原城をかたどったもなかと抹茶を味わい、城歩きを思う存分楽しめた。

実物を目の前にするのは、写真では味わえない高揚感がある。次回の城歩きイベントは秋の予定。城に興味がある人もない人も、ぜひチェックしてみて。

▼DATA
ユカリノが主催する「城歩きイベント」は不定期開催で、次回は18年の10月ごろを予定。詳細は、公式サイト「ユカリノ」で。https://yukarino.jp/

撮影=村林千賀子