立場が反対でも同じです。入社して1週間たった新人が今、何に困っているか、知りたいとしましょう。「わからずに困っていることがないか、現状を確認したい」、そして「報告書はどの程度書けていますか?」と、目的を伝えてから質問を重ねていきましょう。大から小にいく逆ピラミッドといわれる順番です。

「だいぶ慣れてきましたか?」といった細かな質問をしてしまうと「慣れました」という答えしか返ってきません。逆ピラミッド手法が大切なのは、新人も上の立場の人も同じ。最初にその質問の目的を言わないことには始まらないということです。

意識して気をつけたい、ちょっとした言葉遣い

目的を伝えたあとは、そこまでの経緯を続けます。「○○についてわかりません。ですから、これは調べました」「○○さんにも聞きました。○○さんからこちらで確認するようアドバイスをいただき、こちらに来ました」と、これまでの道筋も言ってほしいですね。自分が上の立場なら「これは同期の○○さんや○○さんにも聞いています。あなただけではありません」というように全体概要を伝えると、相手は安心します。

不慣れな環境で使える便利なフレーズがあります。「これはどなたに聞けばいいですか」というせりふです。「自分が困っていることはこうです」と目的を明確にし、自分を助けてくれるのは誰なのかを聞くのです。そうすると「うちじゃなくて、営業部に行ったほうがいい」など、適任の人を指名してくれるでしょう。

イラスト=アヤコオチ