部下との関係も同様だ。組織の中には2対6対2の法則があるが、すべてができない人などいない。できるだけ部下のいいところを見つけ出し、それぞれの得意、不得意を組み合わせることが必要だと考えるようになり始めていた。
そんな矢先、横浜市長の林文子さんの講演を聞き、感銘と衝撃を受ける。林さんの波瀾(はらん)万丈な人生を知り「包容力、受容力こそが、困難な局面を乗り越える力になった」というエピソードに強く納得。そのまま自分の店舗運営にも当てはまると感じた。
「立場の弱い人、苦しい思いをしている部下に手を差し伸べて、個性を見つけ、それを伸ばすことによって、チームで最高のパフォーマンスを出せるようにかじ取りしていくことが私の役目だと思えるようになりました」
苦しい経験があったからこそ、自分をさらけ出し、できないことも認め、助け合うことの大事さを学んだ、とほほ笑む寄高さん。今後は“自然体”で人材育成に全力を注いでいくつもりだ。
Q.好きな言葉
恐れていても何もできない。実行あるのみ
Q.趣味
バイオリン、陶芸、茶道、仏教美術の鑑賞
Q.ストレス発散
音楽仲間との交流
Q.愛読書
『生きる』(乙川優三郎著)
三井住友フィナンシャルグループ 執行役員 人事部研修所長
1987年、早稲田大学卒業後、住友銀行入行。事業調査部、法人融資部ののち、複数の店舗で法人営業部長を歴任。2016年より三井住友銀行執行役員、SMBCラーニングサポート社長を兼務。17年より三井住友フィナンシャルグループ執行役員も兼務。
撮影=澁谷高晴