矢嶋文子さん 41歳 転職2回 独立 Wワーク
「心と体を元気にする」八百屋とお寺で夢を実現
学生時代のアルバイト先だったチョコレート店に就職。売り上げを3倍にして自信をつけたが、転職先の教育ソフト開発会社は激務だった。体調不良に悩む矢嶋さんの心に刺さったのが、「体は食べたものの歴史」という言葉。料理学校に飛び込み、「食に関して学び、気づきが得られる施設をつくりたい」と考えるようになる。
そんなとき、「日本一の八百屋がいる」と知人に紹介され、築地御厨(みくりや)の内田悟氏に弟子入り。氏のもとで修業するうちに、「無農薬野菜がすべてよいとは限らない」といった仮説が次々と確信に変わっていった。これをいち早く世の中に発信したいと、東京・牛込柳町に小さな八百屋を開業したのが32歳のときだ。「3坪八百屋の女主人」とメディアで注目され、5年後に店舗を移転・拡大。今は経営を知人に譲り、顧問を務める。
「実家の寺を継ぐため僧侶とご縁を頂きました。檀家さんのお話を伺うことや境内整備など“寺嫁”の仕事は多岐にわたりますが、『心と体を元気にする』のは八百屋も寺も同じ。両方自分のやりたいことなので、満足しています」
▼矢嶋さんの幸福度の変化
27歳:チョコレート店から教育ソフト開発会社に転職。体調を崩す 50%↓
32歳:師匠の反対を押し切り、3坪の八百屋「瑞花」を開店 30%↑
38歳:結婚を機に瑞花の顧問となり、“寺嫁”とのWワークに 70%↑
江原なおみさん 46歳 転職1回
16年の専業主婦を経て再就職。毎日が刺激的!
江原さんは、新卒で入ったソニーの第一線で活躍したあと、専業主婦に。16年のブランクを経て再就職したという経歴の持ち主だ。
「ソニー時代は得意の英語を活かせる海外営業で、すごく充実していました。でも結婚してしばらくすると、仕事とプライベートのバランスが取れず、思い悩むように。平日は海外出張に残業、週末は山のような家事を夫婦でこなしヘトヘト。今思えば、何事にも手を抜くことができず、自分を追い詰めていたんですね」
夫が海外転勤になったのを機に退職。帯同先のイギリスで出産し、これまでやりたかった料理や育児に全力投球する。だが帰国後、長男が小学校に入学し、子育てが一段落すると、ある思いがわいてきた。「社会復帰したい!」
次男が小学校に入学するタイミングで本格的に再就職を考え始め、活動開始。人材サービス会社からサイボウズのインターンプログラムを紹介されて参加、そのまま入社したのが2年前のこと。知見が広まっていく毎日が刺激的だ。
「実は、入社前から夫とは別居していたので、家事・育児はワンオペ状態なんです。でも、以前よりも手の抜きどころがわかってきましたし、長年モヤモヤしていた夫との関係も別居でほぼ解消。仕事も楽しい。今が一番幸せです」
▼江原さんの幸福度の変化
28歳:ソニー時代は海外出張や残業が多く、家庭との両立に苦労 -80%↓
29歳:夫の転勤に伴い退職。専業主婦になる 80%↑
38歳:長男が小学校へ。社会との接点が減り、孤立感を覚える 40%↓